夜明けの星を待ってる

今ハチャメチャに仮面ライダービルドにハマっている

僕は桜 血染めの花 いつか散るとしても

会社の同僚にイラつくことがある。

そいつがどんな仕事をしてどんな風に神経すり減らしているのか全く知らないし興味がないが、さも「私は忙しいのであなたがこの雑務をやってください」というような感じで言われると頭にくる。何故なら私も働いているからだ。

そもそもそいつは内勤であって外回りをしないならそれくらいの雑務してくれても良くない? となすりつけ合いの様相を呈し、多大なるストレスを感じて可及的速やかに解決策を提示し同意を取って勝手に実行した。

こうしてお互いの仕事への理解は失われ、さながら有賀と間宮のように道は分かたれたまま交わることなどないのである。

ごめん、嘘だ。

理解しあいたかった有賀と間宮と違って私たちは別に理解し合おうという気はない。ただお互いにお互いの考え方にイラっとするだけだ。私はあいつの金の使い方に一生理解を示すことはないし、あいつは私の買い物の基準に理解を示すことはない。そしてそんな些細なことでもめるような精神状態を作った仕事への理解もする気はない。

でも有賀と間宮は理解しあいたかったんだよな。二人は共にあって欲しかったよ。間宮一周忌を終え時代は加々美だというのに未練がましいことで、私はまだ舞台の上に間宮を探している。

 

そうなってくると、最初から二人でいることを選んでいた白崎と悠里は、RPGの定番主人公ズだった。

まあ引きこもりのパーティーメンバーってそうはいないけど、でも幼馴染で同じトラウマを持ち、同じ場所から旅立つなんて、物語の主人公じゃなきゃ許されない。

白崎の主人公力の高さはメサイアシリーズ随一なんて趣すらある。と勝手に私が思っている。 撮り順の問題ではあるのだけれど、深紅がびっくりするくらい辛くてその中で唯一の救いが白崎だった。有賀心開くの早いよ……私まだ加々美受け入れてないよ……。

そんな中で白崎はあの四人(新旧)の中でバランサーであって常に真ん中にいる。概念的メサイアになれたかもしれない高野との道が分かたれてなお、正義を説き、自分の目的ではなく国に住まう人間のために引き金を引く。例えその正義が、白崎の思う正義であって絶対的に正しいものでなかったとしても。

この主人公力の高さ。

そんなわけで、私は白崎のことが一番好きだ。

 

ここ数日、まるで薄氷の上を忍び足で歩くかのような心地だった。 というのも、私がツイートもしないのにツイッターに張り付くことを専らの日課としており、さらに絶えず色々なワードで検索していることに起因し100パーセント私のせいである。

まだまだ幕開けて序盤であって、後半観に行く予定の身としては踏み抜いてはいけないネタバレが多いはずだ。依存症としては検索しないようにするのが一苦労であった。

だって白崎は一人だ。どうして一人にならなければならないのだろう。事務所変わったから?

サクラにはメサイアしかいない。メサイアしかサクラを救うことができない。白崎なんて初めから悠里しかいなかった。高野じゃ共に行くことのできなかった道を共に進んだのは悠里だ。突然の失踪ってなんだ。鋭利の卒業試験みたいなことなのか? それとも父親を追った周なのか?

今の所一番怖いのは、悠里が裏切ることでもなくどこか別の場所で一人で卒業試験に挑んでいるとナレーションで説明されることでもなく、戦えない体になっているとしたら、だ。

こんなの、悪い夢みたいだ

戦えないって

 

 

と、ここまでが観る前の心持ちである。

一度更新してから観に行こうとしていたので長々と書いたのだがタイミングを逸した。

以下は、これから観るぞ。と、観てきたぞ。の気持ちの話である。

 

桜の樹の下には屍体が埋まっている!

これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。

 

のような気持ちでその日私は電車に乗った。

『サクラノモリ』という短篇をご存知だろうか。『新装版メサイア』に封入されており、インターネット各所でファンが心の桜にペットボトルで水をかけるきっかけを作った、あの短編である。

悠里を失うことに尋常ならざる恐怖を抱いている私は、白崎が一人でサクラノモリに立っているところを想像して泣きそうになりながら移動していた。桜の樹の下には概念的に屍体が埋まっていて、決して一人で佇んでいるわけじゃないんだと、勝手にこの世からいなくなったことにして勝手に納得させながら。全然納得してなかったけど。

変わらず同僚にイラついたりもしたが、メサイアのことを考えて鬱になってるうちに原因となった一件は解決し、本格的に白崎のことだけ考えて鬱になっていた。

そう、もはや私は鬱であった。

こんなに鬱だとさぞメサイアが好きなんだろうと思われるだろうが、私は十億渡して小島秀夫監督に顧問になってもらって全編作り直して欲しいと思っている。特に映画とドラマ。

そんなことはどうでもよくて、サンシャイン劇場である。いつぶりだろう、パラノイアぶり?

本当は大千秋楽まで寝かせたかったがもう我慢できないのでブログにしたためる。ネタバレ必至であるからして、ご容赦いただきたい。

 

冒頭、拘束された白崎のシーンで悠里の声がした時、声優という夢を見る廣瀬と白崎と共にいたい悠里が頭の中でぐちゃぐちゃになって、それでやっぱりもういないんだなって気づいた。

悠里は、白崎にとっての光だった、というのが今回よくわかった。

そしてやはり、白崎は光だった。 一度も疑わず、絶望しても全てを投げ出すこともない。「どうなっていたか」と言いながらも、決してサクラとしての道を踏み外すことがない。

 

イギリスのサッチャー元首相は「社会などない。あるのは個人と家庭だけだ」と言ったそうだ。

では社会とは。社会規範とは。社会の構成とはなんなのか。

今回の『暁乃刻』にはそれが無い。夜は、夜明け前が一番暗い。社会の一番小さな単位である家庭も、寝静まっている頃だから見えないのかもしれない。または、白崎と悠里は家庭の喪失を経ているから、意味がないのかもしれない。

白崎の戦いは、今度こそ、個人のための戦いだった。

今回の舞台では国に住まう人間なんて数でしかない。白崎にとって重要なのは悠里の行方であって、その他のことではない。

加々美もそうだ。加々美の家庭の喪失、夜明け前で明かりのない世界で見えないそれを、喪失するきっかけとの戦いという至極個人的な戦い。

有賀ですらそうだった。

間宮に縋っているスペクターは私だった。有賀は間宮の事を心に留めながら加々美という新しいメサイアを受け入れて、加々美は間宮という存在をわかった上で、その代替品であることを抜け出そうとしていた。

「いつき」と「涼」、名前で呼び合う二人を見て思った。名前で読んで欲しいなんて、間宮のときはこれっぽっちだって出て来ない話題だった。間宮とでは出来なかったことを、これからして行くのだろう。

「刹那、お前は変われ……。変われなかった、俺の代わりに」

果たせなかった間宮の代わりに、加々美が果たすのだろう。

 

思うところがないわけではない。

例えば、コンピューターというのは演算装置や電源、記憶領域が伴って初めて機能するのであって、加々美の中のチップ程度で管理可能なはずがない。 ネクロマンサーがどれだけ有能なAIであっても、どこかにネットワークに繋がった本体があり、本来であれば物理的に存在するそれを巡る攻防になるのではないかとか。

脳を利用したのであれば本体と共にあるはずで、さらにそこから意識のみを抽出するという事が本当に可能なのか。

むしろ悠里の行動パターンを学習させ、悠里であれば取ったであろう判断をトレースするプログラムなのではないかとか。

もしそうであったら、それは悠里と言えるのかとか……。

 

だがもうそんなことはどうだっていい。

ネクロマンサーの中にいた、0と1の悠里に白崎の言葉は届いた。そこにいたのは悠里だ。まごう事無き悠里だった。

なんていうか、めっちゃ泣けた。

急にもうなんかいろいろ書くのが面倒くさくなってきたが、すごい泣いた。

悠里は戦えない体なんかじゃなかった。体を失っても戦うことを選んだのだ。

それは一つ、私にとって救いだった。

「けれど、あなたは兵士じゃない。私にはそれがわかっていた。あなたは兵士ではなく、戦士なの。兵士の歓喜のうちに戦場で死ぬことは、ありえない」

 

白崎は、メサイアを失ったが、別たれてしまったのではない。悠里は「同じ空の下の遠いどこかでメサイアが生きている」という生きる理由ですらない。

悠里はどこまでいっても、白崎と共にあるのだ。

悠里はこれから、マイクロチップ入りの屍兵をその手足とし、屍者の王として見えないところから白崎を支えるのだろう。二度と別たれることのない、メサイアとして。

柊介と颯真、有賀と間宮、白崎と悠里……どういった形であれメサイアを失うサクラが多い中で本当に鋭利と珀は幸せというかいよいよ化け物じみて来たな! わざわざ二人で観に来やがって!

ラスト、エピローグの白崎と、屍兵の共闘がとても良かった。わざわざ髪型似せて来やがって!

号泣だぜ! 「壊れやすいたまご」の話リバイバル、だからこんなこと言ったんだね! 粋なことしやがって!

 

そして本当に本当の最後のシーン。白崎が走り出して暗転する。 これがとても良かった。 白崎のことを主人公だと思っている私だから、白崎の夜明けがあの道の先にあるのだと思って嗚咽を漏らしたぜ!(白崎主人公説、身内は支持してくれてることが観劇時判明)

もうなんていうか、うまく書けない。感極まり過ぎて適当になってきた。 白崎と悠里は今までの、紫微、影青、翡翠、鋼、深紅その全てを振り返って、その全てを背負って二人で卒業していった。

おめでとう。次は映画でね。

「あなたは戦士なのだよ、ジャック。この子を頼む」

 

これ聴きながら読んで下さい。

Eternal (赤西仁の曲) - Wikipedia

 

追記、新作発表おめでとう。