夜明けの星を待ってる

今ハチャメチャに仮面ライダービルドにハマっている

メサイア極夜の感想の話

夜の中を生きてきて、暗い中だけを拠り所にして、互いだけを標としてきたのかもしれない。

 

孫引きになるが、ラスバルトという人の研究で、長期的な関係の質はコミットメント(主体的に関わろうとする心理過程)によって規定されるそうだ。コミットメントはこれまでの投資や義務感、倫理的判断の影響を受ける。(P168『社会心理学有斐閣,2010)

 メサイアにおける三栖さん(周がそう呼ぶので三栖とは呼びづらい)と周の関係もそうして規定されてきたのだろうか。

危なっかしい二人が二人とも、互いをほっとかないのは、放っておけずに手を差し伸べたと思ったら相手は肩を貸してくれ、そうしてラブシーン(本人が言ってたからいいだろうと思って書いちゃう)を重ねてきた。

 自己概念という考え方がある。人間は自分自身に対する概念の中から、自分が誰であるのかを参照している。それらは置かれた環境、他者によって影響され、その自分にとって重要な位置を占める他者を重要他者と呼ぶ。(P91『社会心理学有斐閣,2010)

重要他者と接近し(もちろんそれだけが要因ではないけれど)、影響を受け活性化した自己概念(作業自己概念と呼ぶ)を捉えるため、自分が捉える自己像は変化して行く。

 周は父に牙を剥き、兄と複雑な心を交わし、三栖さんに寄りかかった。

周はそうして変化して行くことがその本質だったのかもしれないと思う。評議会・公安など立場を変えながらも変化しない三栖さんとの対比で。

メサイアという関係性に近いけれど決してメサイアではない二人は、サクラとは違う価値観で生きてきて、とうとう『メサイア』と銘打たれた作品の真ん中に立ってしまう。

これはもうメサイアだ。二人は実質メサイアなのだと、私は信じている。

 

❇︎

 

観てきた。始まる前に書いていた上の文章がなかなか緊張感漂っている。学生時代の教科書を読みながら緊張に耐えていたのだ。そしたらこんな感じになっている。

 

以下、ネタバレ必至の感想である。

これから観る人は出来れば読まないで欲しい。

 

 

間宮ーーーーーーーーーー!!!!!!!!!

三栖さーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!

 

置いていかないでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!

 

 ・まず間宮の話

万夜様が口ではあんな風に言いながら意外と優しいところが可愛いと思った。

間宮のことは、もう終わったことだと思っていた。間宮にすがるスペクターは私だったと、思っていた。(僕は桜 血染めの花 いつか散るとしても - 夜明けの星を待ってる

 みんな間宮引きずってんじゃんよかったーと思った。

万夜様という特殊な存在が、あんな風に特殊でいてくれたおかげで、まさかもう一度有賀と向き合う間宮が見れるとは思わなかった。

正直、万夜様の特殊能力についてはびっくりした。まさかそんなファンタジーなことを言いはじめるとは思わなかったからだ。

でもありがとう、急な特殊能力ありがとう。万夜様のおかげだ。

 

有賀は、何を伝えたかったのだろう。「今は大丈夫だ」とでもいうつもりだったのだろうか。

あなたがもっと間宮に寄り添っていれば良かったんだ。間宮は死なずに済んだかもしれないんだ。

「あの時お前は俺のメサイアだった」今は加々美がいるとでも、有賀が寄り添わずに死んだ間宮に伝えるつもりなのか。

もっと伝えることがあったんじゃないのか。有賀は、暁乃刻の有賀は、意外と引きずっていた。あれが間宮(幽霊)と会った後の引きずりなのかそれともドラマと舞台は別時空なのか。

間宮を、本当に話したい人を前にして言葉が出ないのだろうか。

 

間宮が、チャーチで有賀を見守っているなんて、みんなの妄想でしかないと思っていた。そうでもなきゃつらすぎると。

間宮が見ていてくれるなら悠久もそんな悪いことにならないんじゃないのとか思う。脚本違う人なのに。

 

実際このシーンが必要だったかは諸説あるだろうと思う。もう鋼は終わった。間宮は死んだのだ。その間宮をこうして引っ張り出すこと、果たしてそれが本当に物語として良かったのかどうか。

 

でも号泣した。

 

・三栖さん

どうして三栖さんばかり、こんな目に合わなくちゃならない。

 

三栖さんの理想は誰よりも青臭くて、それでいて綺麗だった。三栖さんには実現させなければならない理想があった。その結果がこれだ。

 

周は、三栖さんのメサイアにはなり得なかった。それもそうだ。だって周と三栖さんはサクラではない。サクラではない二人はけれど「薄っぺらい関係」ではなく、じゃあメサイアとしての役割を背負っていたかというと、そうでもない。周にとって三栖さんがメサイアであったかというと、多分革命家だったのだろうと思う

居場所のなかった周に居場所を、革命という形の変革を周に見せてくれた。

 

二人はメサイアにはなり得なかった。 

 

静かに沈んでいく三栖さんを見て思った。「あぁ、これが男水なら手を伸ばして引き上げてくれる人がいるのに」と。

 

ていうか志倉さん、お父さんなの?

 

周はこれからどうするのだろう。あまりにもスッと日の当たる場所に戻るものだから驚いた。そんな簡単にテロリストから足を洗えるものなのか。

金と権力を手に入れ三栖さんが目指した究極の平等のために、周は手段を選ばないのだろうか。テロリストとどう違うのだろうか。

エンドロールを見ている間、「もしかしたらあのメサコートを羽織った背中が二つ一嶋さんの前に並んでいて、一嶋さんにメサコート周が『潜入は成功した』と何らかの報告をして、一嶋さんが『そうですか。引き続きよろしくお願いいたします。……さて、一度死んだ気分はどうですか……三栖君』で三栖さんが話し始めようと息を吸った瞬間暗転(映画 虐殺器官)するのでは」と思っていたがそんなことはなかった。

 

・三大魔法学校対抗試合

北方連合版チャーチ……ボスホートの登場により、「北方連合のテロリズムvs日本」の構図から、「ボスホート(北方の工作員)vsチャーチ(サクラ)の対立となって来た今作。「三大魔法学校対抗試合」の様相を呈して来た。

そもそもの高度な情報戦から乖離しつつあるのでもうどうこう言うつもりは無いが、卒業試験はあれで良かったのか北方連合よ。

いずれにしても、当面の敵はボスホートなのかもしれない。

 

・たまごメサイア、果てしない矛盾

暁乃刻との矛盾すごくない?

極夜→暁乃刻と言われても信じられない。極夜→なんか挟んで→暁乃刻じゃないのこれ。

 ❇︎白崎は脱走したわけじゃない

白崎は悠里を追って脱走したわけじゃない。北方の工作員のアジトを叩く任務中に拘束され連絡が途絶えるはずだ。

多分、山口さんと毛利さんでは、白崎という人物の捉え方が違う。

暁乃刻の白崎はサクラだった。極夜の白崎が白崎のままなのと違って。その認識の差が白崎と悠里の矛盾を産んでいる。

❇︎悠里の失踪を一嶋さんは知っているはず

一嶋さんが悠里の失踪について神北さんにキレていたが、暁乃刻では一嶋さんの許可の元、悠里はネクロマンサーに融合している。

悠里の失踪を、謎としてだけ使わないでほしい。白崎と悠里という二人のサクラの、メサイアを超えた依存こそが暁をもたらすというのに。

まあ実際のところ、暁乃刻を先に観ているからこういう風に言えるのだろう。頼むから脚本ちゃんと擦り合わせてほしい。

 

……と思っていたらもっと丁寧に書いている方がいらしたのでリンク貼らせていただきます。

うまく貼れてなかったらごめんなさい。

 http://ys-memolog.hatenablog.com/entry/2017/06/18/

 

・情報管理と装備がザル

相変わらずちょっと調べるだけでめちゃめちゃ情報が出てくるし、「戸籍がないかもしれないな」とか言ってた万夜様の御名がパソコンポチポチでサラッと判明するし、敵がウヨウヨいる可能性のあるところに突入するのにリボルバー一本だし、柚木は「無線繋ぎました」ってモニターになんか接続するだけだし、キンダーは柚木の写真見てたのに顔を合わせてもノーリアクションだし、コントロールルームなのに排水をコントロールするスイッチがない。

今回の気になるポイントはそのあたりだった。メサイアシリーズはコンピューターをなんだと思ってんだろう。

 

観終わった後、席を立てない客と嗚咽とが聴こえた。私も全盛期の西野カナくらい震えた。

 

・幸せメサイア、珀と鋭利

サクラでなくても相方が死ぬことを証明されてしまった今作。珀と鋭利がいよいよ持って奇跡の存在に見えて来た。

この二人はなんか時空を捻じ曲げてでも、互いのメサイアであり続けて欲しい。

有賀と加々美は、そうなりえるだろうか。

メサイア -悠久乃刻-

頭のチップのこと、忘れられてなくて良かったけれど、天秤にかけられるのが記憶とはこれまた残酷だ。

 

生きよ、墜ちよとかつての文豪は言った。

人間は負けたから堕ちるのではない。人間だからこそ堕ちる。正しく堕ちた先で救われなければいけない……という。

堕落は家族にも他人にも見捨てられ、即ち孤独であって、自分に頼る以外の術がないのだそうだ。

もうなんでもいい。せめて有賀と加々美には、正しく堕ちて救われて欲しいと思う。

 

三栖さん

一石を投じる Tokyo midnight sun

一石を投じる Tokyo midnight sun

 

NOWHERE boy

NOWHERE boy

 

 

堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (岩波文庫)

堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (岩波文庫)

 

 

追加したいこと出てきたらまだ書くかもしれないけれど、ひとまず一旦これで終わり。

 

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ご紹介いただいたようです。ありがとうございます。

 

通知とか来るんですね〜〜びっくりした。