夜明けの星を待ってる

メロン果汁入りメロンパンは邪道では

生物はみな憧れている

モマの火星探検記観てきました。

 

びっくりするくらい泣いた。

原作未読、初演未見。八割がたポエム。

 

照明

すごく綺麗だった。まず最初から星空が後ろに広がってるのがときめく。星は好きだ。

夕暮れのオレンジ、不穏な赤色、クレバスの底から見える深い青、記憶と現在の境目のセピアみたいなそういうコロコロ照明の色を変えてく板の上が本当に綺麗。

最後の方に光が上から降ってきて、本当に満天の星空になるところがあるのだが、息を飲むくらい美しい。電気のための配線コードと、そのコードの先で点灯してるLEDってだけなのに、暗闇の中で光るだけで星空に見えて、役者が演じて宇宙だと信じられる。

人による科学と大いなる地球という関係が、あの星の光に集約されているみたいだった。

 

衣装

すごく可愛い。ハンガリーの伝統衣装のような 、スペインのマタドールのような、童話みたいに可愛い衣装でフリルと袖を揺らしながらみんな演じている。すごく可愛い。

 

音楽が配信されている。楽日までなので気をつけて欲しい。

ノスタルジーであり、劇伴としての盛り上がりを備えている。映画ともアニメともつかないその感じが、耳馴染みが良い。

何より多用されたベースラインの音がスピーカーから響くたびに、胃の底を揺らし心臓を掴むあの感覚がいい。爆音に身をやつしたことがある人間の、心地よい空気の感覚があった。

 

セット

展開はない。アマテラスのように釣り物が降りてくることも、吉三のようにセットが多いこともない。シンプルなストーンサークルだけだ。

それは岩であり、門であり、扉であった。

照明が時間を示して、舞台の段差が空間を区切る。すれ違うように別の時間軸が、場所が同時に展開されて場面展開のストレスが少ないかもないと思った。

別の方の舞台で申し訳ないが、もふ虎の語りと回想のような、一連の流れを見ている感覚。語り、回想し……を段差で区切るあの感じ。

劇中の言葉を借りれば「繋がっている」ということなのだろう。

 

ストーリー

これもまた申し訳ないが、原作未読であって何がどう表現されているのかを知らない。

どこまでが原作で、どこからが舞台なのか。

ぴーぴー泣いた。この作品において、隠された事実というものはほとんど存在しない。誰が父で、誰が子か。よほど鈍くなければ幕が上がってすぐわかる。

だからたぶん、この作品にそんなことはどうだっていいということなのだろうと思う。

隠された事実が明らかになる衝撃なんかではなく、ちゃんと繋がっていた(いる)ということが初めから提示されている。

モマがたどり着いた結論があまりにもロマンティックで最高だった。

温暖化で海面は上昇し続けているし、資源を巡って戦争はなされたまま。決して物語と言えど夢物語じゃないのが、ロマンを追う彼らと対比される。綺麗なだけの夢など存在しないんだろうと思う。

 

演者さん

観終わったあと「矢崎氏、鎌苅氏……結婚おめでとうな……」という気分になる。

鈴木氏が見た目とてもブリキのロボットなのだが(アンドロイド、と劇中では表現されていて実際の働きは恐らくロボット)とても可愛らしいし、クライマックスとても泣ける。

谷口さんと子役スティンガーのシーンも大号泣。

 

 イリーナの気持ちを、もっと掘り下げるもの良かったのかなと思う。というか私の理解力問題なのか。何故ユーリたちのロケットを見届けようと思ったのか。それはモマへの恋情だったのか、父を想ってなのか、ユーリへの母性なのか、それとも奥底に眠る憧れなのか。あるいはその全てなのか。

 

 

原作読むかぁ。

良い舞台だった。

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#観劇 #モマの火星探検記