いや舞台行けよみたいなね、気持ちにもなるよ、わかる。
タイタニックすらキャス変するからね、それについて書けってわたしの中のわたしが言ってる。
でもさ、また抜歯したんだよね。前回割とメソメソしたんだけど今回超余裕。痛い思いはしたけど前回に比べたら屁でもないから2回目というのはすごい。
そんなわけでしばらくぶりに舞台を観た。面倒なので一気にまとめる。なぜならモチベ皆無からの舞台週間だったからだ。
行くまでめちゃめちゃ具合悪かったのに、席着いたら急に元気になったのでまあそういうことだろう。
先に謝っておきたいのだが、Kステの感想がクソほど長い。そしてキモい。マジでごめんなさい。
ジャー忍
ものすごく楽しみにしていた。Patchの面々が外部舞台で仕事をしている時にちょこちょこお見かけするくらいで、実際ちゃんと見たのはこれが初めてになる。
すんごい楽しかった。
まずあの箱(モリエール)の感じ、板の狭さ、それでいてちゃんと作り込まれたセットや衣装。否応無しにテンションが上がるなと思った。
・キャラクターとストーリー
王道である。ライバル、ラスボス、わんこキャラに憎めない敵、そして人気爆発を予感させる裏切り系キャラクターと王道なキャラクターたちに、しょっぱなから最強なのでウジウジ悩んだりしない気持ちの良い主人公が、テンポよく冒険して行くのでフラストレーションがない。私はこれがPatch初見だったのだが、入門編として相応しいものを観させてもらったなと思う。
・すごいなと思ったところ
俳優さんに向かっていうことではないのだが演技が上手い。なんかこう、ハラハラするような感じがない。いやまあ狭いところで殺陣をするとか、公演重ねてきて喉とか滑舌とか心配とかそういうんじゃなくて、こう、場数、そして場数という印象。
・気になったところ
一個思ったのは、恵比三の出会った閻魔が布丁の顔をして居たのなら、弁才の出会った閻魔の顔は誰だったのだろうと言うことで、三途から帰還した弁才は布丁については何も触れなかったから、出会うものによって姿を変えるのかなとか、そもそもそれってこだわるほどストーリー上関係あるの? と内省したりした。
というか私の読解力不足の可能性もある。
あと何にも考えずに更新しているが、インスタの画像見ればわかる通り虹を観に行った。
青エク
こちらもまた楽しみにしていた。ジャー忍を観た後のため、「セット!」「映像!」「アンサンブル!」で「うんうん、お金かかってるね」と思った。
・一幕
京都紅蓮篇が割と「殺陣!」「陰謀!」「殺陣!」であったから、それを期待して行くと一幕の学園生活に面食らうかもしれない。
平和な生活が塾生にもあり、築いて来たはずの友情があり、甘酸っぱい青春がありながらも、彼らが虚無界から逃れられないっていう意味では、一幕の平穏はまさに不穏の裏返しであり、愛おしいものだと思う。
七不思議のをみんなで解決する中で、しえみと出雲の関係が少しずつ進んで行くのも、二幕に向けて大切な演出だったと思う。
ただ、島根イルミナティ篇というのは出雲と、そして廉造の話であるはずなので、もっと廉造のことが見たかったと思わないでもない。そのためには七不思議篇の尺を使えば……と思わなくもない。
ただ七不思議篇があるからこそ、オカマの白無垢にキッスされるボーイズが観れたり、ボーイズのキッショい女装(燐の脚が綺麗なのと、パンツの柄が知れる。勝呂の女装があまりにも怖い)が観れるわけで、もうアレかな、四時間上演すれば廉造の心情も描けたのかなと思う。
そして何より燐としえみと雪男のダンスパーティーだ。雪男の制服(黒セーター)が最高の極みなのだが、三人で踊り笑う奥村兄弟に涙した。この漂う最後の平穏感。
・オープニング
笑い合う奥村兄弟に涙するにあたって、オープニングは外せない。
雪男はここまでに自分の体に起きた変化を知ろうとしたり、何も信じられなかったりするのだが、オープニングでひたすらに追い詰められて行く雪男と、叫ぶ燐がつらい。この先を暗示というか、もはやダイジェスト。
・二幕
燐が悪魔ではなく人間としてあるために、人を斬りたくないことや、雪男は雪男で、人であるから利用価値があるということも切ない。もうこの辺に関しては舞台がどうというより原作がすごいので、それを端折らずにストーリーに組み込んでくれたことに感謝である。
また神木一家が泣ける泣ける。狂って行く玉雲も、心を閉ざしながらも愛情を自覚して行く出雲も、全てを忘れてしまった月雲もまあ泣ける泣ける。
観に行った公演の一つで、玉雲が舞うシーンで着ける面が上手く着けれなかった事があった。それをさっと諦めて何事もなかったように舞い続ける良子さんがかっこよすぎた。
そして外道院がすごい。よくわからないフォルムでものすごく動く。そして果てしなくゲスい。あれだけ憎らしく悪役を演じるところが本当にすごい。
すごいから外道院と玉雲だけでも観て欲しい。
・曲
UVERworld最高である。
オープニングの一滴の影響もさることながら(泣いた)、ヤル気になった時に流れるリバーシ、戦いを盛り上げるコアプラ、そしてまた良いところで流れる一滴の影響(泣いた)……。
https://itunes.apple.com/jp/album/%E4%B8%80%E6%BB%B4%E3%81%AE%E5%BD%B1%E9%9F%BF/id1196720392?i=1196720598&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog
https://itunes.apple.com/jp/album/core-pride/id574735289?i=574735291&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog
https://itunes.apple.com/jp/album/reversi/id585138145?i=585138151&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog
・気になる点
音響が気になる。殺陣の音が動きとあっていないこともそうなのだが、なによりマイクの音量が間に合わないのが許せなさすぎる。
あと謎のビニール演出。まあ確かにビジュアルを原作に寄せてるのはわかるがビニールのカシャカシャ音が気になる。
宝と出雲とのバトルの際に出てくるアンサンブルのロボット装備。維持できないなら維持しやすい形で誤魔化すべきだった。
女子二人がキャス変していて切なかったのだが、なんとなく途中から慣れてくる。出雲に関しては、前作より姫度が増しているので、囚われの出雲を救いに行くのにはよく似合ってると思い直した。しえみに関してはまえのんの方が良い。
樋口氏と横田氏、もったいないというのと、ルシフェルの滑舌問題。
あとは謎のルシフェルとメフィストの瞬間移動。あの時間を廉造に割くこともできたと思う。
ありがとうブルーシアター、さようならブルーシアター。
Kステ
もうなんか、どうしたらいいのかわからない。
何をどう願えば良いのかがわからない。
楽しみにしていたはずだが、楽しみにしていますとも書きづらい。そしてなぜか始まる学級会……。
というわけで、観てきた後のあまりにもキショい感想を綴る。もともとKの民のため、非常にKのストーリーに絆されている人間が書く事になる。もはやストーリーを語り始めたら舞台関係ないじゃんと笑って欲しい。
・ダイジェストについて
一発目観た段階ではいらねえなこれと思った。Kのある環境で生活することが常であった人間にとっては、もう今更も今更の内容であるためだ。この尺をやる暇があるならクロの葛藤に時間を割いて欲しいと思っていた。
回数を重ねるとだいぶ違ってくる。
これは私たちに向けて作られたダイジェストであって、そうではない。
Missing Kingsは失われた王の物語である。白銀のクランにとってはシロを探す道半ばの物語であり、美咲にとっては過去の王へ縋る気持ちにケリをつける物語であり、猿比古にとっては持て余し続ける忠誠を自覚し始める物語であり、出雲とアンナにとってはアンナの中の赤を受け入れる物語である。
全て、それまでの王との関わりによって紡がれるべき物語だ。
そして今回、王は皆、キャストを変えている。もともとキャストを変える事の多い舞台だった。赤の王、そして青の王、両王のキャストが変わって行く事の多い舞台だった。だが、K第1期という、Kというシリーズの原初を担う物語を上演していたこれまでと違って、十束の因果にある一定のピリオドが打たれてしまった後の物語なのだ。K第1期を知る王を失うのは、Kステというシリーズから根幹を失うに等しいと、私は思った。
そのためのダイジェスト、そのための第1期のなぞらえ、繰り返しだと思った。
あれは私たちが復習するためだけではない。新たなる王を、王だと受け入れるためのダイジェストだ。
でもまあ、今でもちょっと思ってる。この時間あるなら、クロの心の揺れをもっとたっぷり描いて欲しかったって。
・白銀のクランについて
Missing Kingsは、王が不在の物語である。私たち観客は文字通り、王を失った。
松田凌、その人である。
ダイジェストで、クロはシロに跪かず、その場を立ち去る。私はバカだから、クロが傅くのはあのシロだけだと思った。あの、松田凌の演じるシロだけだと。
紫との戦いの最中、クロは白銀の王のクランズマンである前に、先代無色の王の元クランズマンとして紫に立ち向かって行く。この揺れているクロの表現がとても良いと思う。
彼の上手いところは、ブチ切れる演技だ。クロのブチ切れは、私の見たいブチ切れそのものだった。
ネコの声によってブチ切れ、揺らぎ、戸惑っていたクロの心が、シロの臣下として決まるわけだが、クロはそこで、回想の最中でシロに跪く。
クロの王は、シロだ。松田凌ではない。松田凌が王だったのではない、シロこそが王だったのだ。離れ行くシロの手を名残惜しげに握り、伸ばし続けるクロの腕を見て思う。クロの王はシロで、今そこにいるシロもまた、シロなのだと。
それでもだ。それでも、あの人は紛れもなく王だったのだ。私の、私たち観客の。
シロが無色の王を取り込んだ時、周防の前でクルクルと表情を変える大崎さんは本当素晴らしかった。中尉の側で、涙をこらえ決意を新たにする大崎さんも素晴らしかった。何度見ても、その大崎さんを見て涙が出た。
シロだった。Missing Kingsのシロはこの人だと強く思った。あの人はもうきっと戻っては来ないから、こうして新しい王を受け入れて行くのだろうと思った。
松田凌さんがKMK観に来て下さいました!!
— 大崎 捺希 (@NRespawl) 2017年10月27日
伊佐那社として座長としてKステを引っ張ってこられた凌さんに
自分の演じる伊佐那社を観て頂けた事が凄く凄く嬉しくて!!
改めて気を引き締めて
全力で伊佐那社演じ抜きます!! pic.twitter.com/ZiNz5DSKzf
それでもだ。
あの人は主人公という、ある物語の真ん中に立つ王だったのだ。私は私たち観客の王を、忘れることはできないと思う。
本日は松田凌のお供で舞台『K』を観劇。音楽ひとつで心が引き戻される。新キャストって言葉に違和感があるくらい『K』の世界がそこに広がっておりました。素敵でした。しっかり受け継いでくださった2代目シロの大崎捺希さん。安心して初代シロはフラフラとこんな感じでどこかへ行くのでしょうかね♪ pic.twitter.com/J2aUYCurqH
— zozozo-town (@Sebastian_hw) 2017年10月27日
そしてきっと、あなたも王だ。
KMK東京公演千秋楽昼公演御来場ありがとうございました!!
— 大崎 捺希 (@NRespawl) 2017年10月29日
残り一公演
溢れてきそうだから
何も考えない
最後まで演じ抜きます!
よろしくお願いします!! pic.twitter.com/uZ5B6zhCUb
クロが今回戦うのは、紫一人であって、二人である。辛かったろうなと思う。陳腐な表現だ。私は数いる彼のファンであり、埋もれる一つの座席であり、もぎられるのを待つだけのチケットでしかない。それ故に理解は遠く、ただ思うばかりである。
紫の声は息が切れることはなく、体は動くことに集中する。クロはそうはいかない。クロはその、二人ぶんの紫と張り合わなくてはならない。クロと紫というキャラクターの力量で言えば、クロが紫に敵わないのは当たり前なのかもしれないが、役者と役者であるならそうはいかない。クロはきっと、二人ぶんの紫と戦っていた。
どれほどだったかと思う。どれほどこの公演が、厳しいものであったかと。
あんな事があった後だから、どうしても案ずる気持ちが拭いきれなかった。殺陣の量は多く、そして速度は速い。オープニングの殺陣、心の底から頑張れと願ってしまった。でも何度見ても、0番のあの場所で、光を一身に受けながら第一王権者の臣であることを宣言するクロを見ると全部が杞憂に思えて、涙が止まらなかった。
真ん中で挨拶する彼を見て、また涙が止まらなかった。
可愛いポイントで言えば、菊理とのカフェのシーンで、クロの席をトントンと叩いて座るのを促すネコの演出がとても良かったと思う。アレだけで、クロがネコのテリトリーの内側にいる人間だとわかる。あれ元の映画でもやってたのかな。もう忘れてしまった。
・赤のクランについて
周防がとても良い。私は今までの周防の中で一番好きな周防だった。最初キャラビジュアルを見た時、ほとんど鬼龍じゃねえかと思ったのだが、お芝居をする彼を見てどんどん周防にしか見えなくなった。ダイジェストの効能である。
出雲のカムバックも本当に嬉しかったし、十束は相変わらず飄々としていたし、美咲はもう、いつ見たって美咲だ。
吠舞羅は、Missing Kingsにおいて非常に重要だ。生死がわからず、捜索途中のシロと異なり、本当の意味で赤の王は喪われている。アンナの中に燻る第三王権者としての力を受け入れて、再出発しなければならない吠舞羅は、「あれ、これ座長アンナだっけ……」と一瞬思ってしまいそうになるくらいの山場だった。
スクリーンで視界を遮り、出雲もネコもいない板の上で、アンナだけが十束と、そして周防と再会する演出、夢だということを強く意識させられる。最初、映像で全部済ませられるのかと思って慄いたのは反省する。
ダイジェストがあったから、もうこの時点で赤の王・周防尊は彼であると私は認識していて、だから姿が見えるだけで涙がこみ上げてくるのだと思う。
「アンナ」と頬に手を添えて呼ぶ声があまりにも慈愛に満ちていて半端なく泣けた。これまで私は、アンナと周防の関係がなんなのか、考えて来なかった。私は白銀が好きだったし、白銀以外に興味を持たなかったがゆえだ。この舞台を観て思ったのは、アンナと周防は親娘に近しいと言うことだ。王とクランズマンとして庇護し、されるだけの関係だけでなく、確かな愛情の行き来があった関係……あの「アンナ」と呼ぶ声は、父のものではなかったか。
アンナの覚醒が、赤くて美しい。真っ赤な光の中で覚醒するアンナの背に、鳥が浮かび上がるのが映画で観た時のまんまで、必死に叫ぶ彼女の通りの良い声に、鳥肌が立った。
・青のクランについて
実は、今回の宗像も私の中では理想的な宗像なのだ。高い身長、薄い体、色の白い頬に、含みのある声。怒る時の低い声も、「王殺しの負荷」も、それでいてねっとりとした裏をあまり感じさせない在り方も、私が思う宗像だったのだ。
伏見は、あのロスモワの後に演じなければいけないと言うだけで、なんだかひどく大変なことのように思う。変な言い方かもしれないが、私にはまだ、彼の伏見について何かを書く資格はないと思う。
・ライティング
なんか今までの中で一番キラキラ光りまくってて綺麗だったと思うのだけどどうだろう。
・気になったところ
なんだろう、強いて言うならクロの葛藤をもっとやってくれというクロ担のワガママと、なんか滑舌アレな人多くない? ってことかな。
ていうかもうゼロだよゼロ、気になるところゼロ。