すべては、こうだ。
「仮面ライダービルド」を心から愛し、心から楽しかったと思っている私が書く、感想よりも一つ前の、思い出話にしか過ぎないエントリである。
というわけで、今回もまた全くもって読みづらい思い出話となる予定だ。すべては私の主観であり、すべては私の執着によるものである。
束の間の平穏が好き。
最後の戦いを前に、バーベキューして花火してなんていう、所謂「最後の晩餐」なのだが、まずこれが好き。
物語はもう随分長いこと戦いの中にあって、日常もまた戦いに侵食されていた。楽しく、みんなで笑って、奮発した食事や遊びをするなんて、もうずっと……ひょっとすると最初からずっと、描かれてなかった姿だ。
「こういうありふれた、でもかけがえのない日常を守るために、俺たちは戦って来たんだよな」という戦兎くんの言葉が、これがどうしたって「最後の晩餐」で、一番楽しい思い出になるんだということを示されていて、心臓がギュッとなる。
これが、46話。前回のエントリを書いた時には、もう視聴済みだった。
譲れないものに殉じるのが好き。
カズミンが三羽ガラスへの想いに、幻さんがお父さんへの想いに殉じる。どうしたって憧れるあり方だと思う。
私はそういう、信念や役目と共に最期まである散り際が好きすぎなところはあって、そういうキャラクターの出てくる作品を大好きになる傾向がある。私に信念も役目もないから憧れるのだろう、そう思っている。
内海さんもまた、それに殉じていったわけで、彼が最後まで忠誠を捨てきれなかったことが、その対象が正義でなくても、彼にとって唯一だったということが好きだ。
正直、出先でTTFCで視聴していたのだが、まあ普通に人前で泣いた。
約束が好き。
幻さんとカズミン、戦兎くんと龍我の間で交わされた約束が好き。
叶えられるかどうかがわからない、叶えたとして共にあれるかどうかがわからない。わからないからこそ、言葉にして託す。そういう約束が静かに結ばれているのが好きだ。
ずっと、誰が欠けてもおかしくはないからこそ、行動が示して来た想いを言葉にする。「最後」ならではのことであると思うし、その約束が幻さんの最期に振り絞った力になったり、龍我に覚悟を決めさせたりしてるのが、生き残れと願った想いと裏腹になってしまうことが切ない。
相棒が好き。
背中を預けるに値する強さと、肩を並べるに値する信頼があって、初めて相棒という無二の存在になれる。何話もかけて特別であると描かれて来た戦兎くんと龍我の関係が、最終話までもまた特別であることが好きだった。
戦兎くんに「生きてくれ」と伝えて死ぬことへの覚悟を決めて、戦兎くんの作ってくれた羽で飛び立つ龍我も、美空の想いも分かっていながらエボルトを倒すを超えて龍我を助けると追いかけた戦兎くんも、結局はどこまでもお互い以上の特別など無いのだということが明確であったと思う。
ハザードレベルが7を超えて、ラビットドラゴンにフォームチェンジするところも最高だった。二人の名前を冠する特別なボトルが、特別な力で、特別なフォームとして登場する。とんでもなくテンションが上がり、年甲斐もなくテレビの前で盛り上がった。
クローズマグマのテーマソングが一番挿入歌の中では好き。
思えば、私がこんなにもこの作品に熱を上げるようになったのは、四話で戦兎くんと戦っているスマッシュに向けてドリルクラッシャーを生身の龍我が投げたことにやたら興奮してからだと思う。
孤独なヒーローに、やっと共に戦ってピンチを救ってくれる人が現れたのだということが感じられて、あのシーンが大好きなのだ。
世界に二人ぼっちが好き。
まさか二人ぼっちになるとは思ってもみなかった。
戦兎くんも龍我も、「あの世界でなければ存在し得ない」という点で特別であったから、どちらかが新世界でも「あの世界のまま」生きていることはあると思っていた。
そして、戦兎くんが主人公である以上、それは戦兎くんだと思っていたけれど、まさか「戦兎くんと共に生きるための龍我」がいる最高の展開だなんて、というのが最初の感想だ。
「Be The One」の歌詞が不穏すぎて、戦兎くんの正体が発覚した昨年12月から、「まさかラストは失われた戦兎くんを龍我が探して旅するエンドじゃないだろうな」と考えてもいた。
もしくは、今年の4月くらいからは「逆もあり得るな」と考えていた。
でも実際には、この広い世界で二人ぼっちになったのだ。
あの世界で苦しんだ人たちが笑っていることは最高のハッピーエンドであるし、だけれどそれまでに払われて来た犠牲や二人ぼっちになってしまった事実はバッドで、でも戦兎くんや龍我は一人ではなくベストマッチな相棒がいるだけで世界が最高になって……という複雑な感情が頭の中を占める。
幸せなことなのに、とどこか受け入れがたいような戦兎くんの孤独を、龍我がたった一言で吹っ飛ばしていくことの心地よさが、「これが私が大好きな二人だ……」と泣いてしまった。
ラストシーンが二人だけなのも、二人のボトルで終わることも、子どもみたいに泣きながら見てしまった。
ジオウ1話、2話
終わったことが受け入れられなさすぎて、このエントリをだらだら書いてしまった。あっという間にジオウの放送が始まっている。
正直、ジオウが楽しみという前に、ロスが激しすぎだった。
喪失感から立ち直れねえ
— そよ (@onon__sy) 2018年8月26日
なので、一話でスカイウォールが映った時点でヒィヒィ言っていた。
一話は2017年11月30日、ASWは元号みたいなものだろうから恐らく世界的には西暦の使用で問題ないんだろうと思うが、放送日換算で映画の前の日付だそうだ。この頃、二人はまだ自身のことについて何も知らず、龍我は戦う理由すら不明瞭なのだ。「先輩」としては未熟な二人の姿に、一年前を思い出してジーンとする。
二話は理解がまだ追いついていないのだが、「巧であっても龍我とベストマッチ」であるということや、「ちょっと妬けるな」というセリフ、歴史が改変されてもビルドとクローズであることを選ぶ二人が最高であるということはよく分かった。よく分かったし、泣いた。
二人は例え戦う理由が変わっても、なくなっても相棒、もうそれだけで充分です。
ここからはただの情報の整理なので読み飛ばしてくれればよい。あと色分けしてみたが余計に分かりづらい。
2017年11月30日、スカイウォールのある世界でソウゴ君が「仮面ライダービルド」である「桐生戦兎」と「仮面ライダークローズ」である「万丈龍我」と出会う。
↓
タイムジャッカーによって「アナザービルド」が生み出される。2017年?
アナザー世界なので戦兎くんも龍我ももうここからはビルドやクローズではない?
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2018年、「ツナ義ーズ」ツアー武道館公演に「葛城巧」と「万丈龍我」が参加。ソウゴが会いに来る。
ゲイツによって「アナザービルド」が倒され、アナザーが復活するまでわずかな間のみ、「正常な記憶」を二人が取り戻す。巧の「過去の俺によろしくな」をヒントにソウゴ君が2017年へ飛ぶ。
↓
2017年で「アナザービルド」を撃破するものの、同じライダーの力は同一世界上に二つ存在することはできないため*1、「葛城巧」は「仮面ライダービルド」ではなくなり、「万丈龍我」もまた「仮面ライダークローズ」ではなくなる。また、アナザーは元になったライダーの力でしか倒せない*2ため、今後のレジェンド達もライダーとして戦う力が失われていく?
この時点で2017年11月30日(一話)ではあった龍我のエビフライが不在であることや、戦兎くんが巧であったことなどから、タイムジャッカーの改変の影響が消えていないものと推測される。タイムジャッカーの影響のある世界がジオウの世界ってことになると、私たちがこれまで見ていた作品の世界とはまた並行して存在する一つの世界ということ?
可能性としては、ソウゴ君と二人が出会い、アナザービルドが生まれた2017年11月30日を境に歴史が改変。タイムジャッカーが擁立する新たなる王のために「エボルトが存在せず、桐生戦兎がヒーローでない世界」を作った、ということも考えれるかなと思う。この辺については頭の良い人が詳しく考察してくれるのではないかと期待している。少なくとも、私たちが見届けた新世界とは別世界であるというのは、ジオウがIFを楽しむ作品である以上確定だと思う。
なお、この世界におけるスカイウォールの状況は不明。
一番重要なことは「オトナの事情にツッコむやつは馬に蹴られる」*3ということなのでもうやめよ。
平成ジェネレーションズForever
公開日は12月22日、絶対に行こうと思う。
ただ一つ思うところがあって、
公演日程
2018/11/29(木)~12/23(日・祝)
12/22(土)12:30/17:30
赤楚くん、舞台挨拶とかやれる?
去年は朝に全員で舞台挨拶してから、エグゼイドチームとビルドチームに分かれて挨拶まわってたし、犬飼くんはいると思うのだけど。
公開後の土日祝日休みを取っておくと良いことあるだろうか、具体的には大ヒット御礼的なものが。
そしてVシネへ
二人ぼっちになった先の世界の話だそうだ。
寄ってらっしゃい見てらっしゃいという超古典的方法でお金を稼いでる様子がチラリと映ってはいるけれど、生活空間と思しき場所は倉庫でよくわからないがめちゃくちゃ心配である。大丈夫なのか? ベッドとかある?
送ろうか? 家電とか送ろうか?
そういえば8月26日も、正直新世界での二人のことを考えすぎていて、戦ブラの千秋楽の記憶がないな……。
喪失感が半端ではないので、もっとVシネ出してくれたら良いのにと思っている。
最後に
本当に取り留めもないエントリになってしまった。こんなにも冷静さを欠き、面白みのないエントリを書いてしまった反省はしたい。
なんにせよ、今日で一旦、たぶん世間的にも一区切りになるはずだ。今後は「放送される」というアドバンテージを失い、過去作として記録されて行くことになる。冬映画では立派なレジェンドのはずだ。私の平成二期仮面ライダーマラソンも、ゴーストとウィザード、合間にビルドを挟みながらもう少し続く。
振り返って、感謝しかないなと思う。もちろん行けなかったイベントもあるが、行ったイベントは楽しくて仕方なかったし、小さな子どもたちが本当にヒーローとして憧れてるのを見るのは暖かい気持ちになれた。オタクとして完全に疲弊するまえに、お茶の間に戻してくれた。
純粋に「面白い」という感情で何かを追いかけてたのも久しぶりだった。
一年間、本当にありがとう。