夜明けの星を待ってる

私のMBTIはINFP-Tです/感想ブログ

ドラマ『Close Friend The Series』感想

Close Friend The Series

何が何だかわからないけど、VPNを用意してまで観ました。(タイBL)

youtu.be

それぞれの楽曲にインスパイアされた6組のカップルについてのオムニバスのようなんだけど、公式のツイートに必ず「#CloseFriendโคตรแฟน」とタグがついていて「โคตรแฟน」を翻訳機にかけたら「クソ彼氏」という意味なので、基本的にクソ彼氏のエピソードということになる。どういうこと?

なんかこれまでさまざまなタイBLで共演してきたバディ*1の再共演ショートドラマのようで、私は2getherしか知らないのでなるほどいろいろあるのだなという気持ち。

このカップルの恒常化の話はモヤつきながらも観てしまう自分がいてどうしたものかと思っていたけど、そんな話を友達としていて「役や作中の関係性を個人に押し付けることは違うが、共演したことによる信頼関係は見たい」というところに行き着いた。営業は営業である。資本主義なので、売れるものであればそれは提供される。タイ系のコンテンツのカップル営業は、中華系*2より資本主義的であるという点ではまあ、見やすいかもしれない。見てる側もそれに自覚的な人が多いように思うが、自覚しているからといって言動に同意できるかということはまた違うので私はやはり少し引いたところから観測したい。

 

VPNなしでも見れます

↑非表示になりました。日本からは楽天TVで日本語字幕付きで見ることができます。

tv.rakuten.co.jp

 

 

Pretend To Love(OhmFluke)

仕事が忙しくて恋人との記念日を忘れてキスで黙らせる男(Pierce)x仕事が忙しい恋人が変わってしまったと嘆く大学生(Typhoon)。三年続いたカップルの喧嘩の話なのだけど、大丈夫なのかこの子達は。

20分しかない尺の中で序盤に一度喧嘩→仲直り→終盤に喧嘩→キスシーンという流れなんだけど、そこで話が終わるので「それはハッピーエンドなのか?」という疑問が残る。ちゃんと仲直りしたの? 大丈夫なの? 咄嗟に弟*3だと誤魔化してたりするので、これは三年の間に弟だと誤魔化したこと他にも絶対あっただろとか、一切語られていないところを勝手に想像して喧嘩の後ちゃんと2人が話し合ったのか気になる。一方で「この2人そういう喧嘩を定期的にして泣いてキスして終わってそうだよな」という気持ちもある。全ては尺が短いせいなので、尺が長ければTyphoonは職場まで来たりしないでしょう。たぶん……。

なぜか不安感に苛まれてしまった。

あまり褒めてない感じになってますが、二人の空気感は随一良かったと思います!Typhoonの涙がハラハラ落ちていくところとかめちゃくちゃ儚かった。醸し出す空気が良かったからこそ長尺を欲してるみたいなところある。

 

Just Friend(JaFirst)

在宅勤務の飼い主(Sin)x家の前に捨てられた猫(Moojoom)。これ重要なのはあくまで飼い主と猫なのでそれ以上でも以下でもない。イケメンに擬人化された猫と楽しく暮らすイケメンという、欲望がそのまま映像化されたような作品。これBLなの?という目線で見てたけどよく考えなくてもMoojoomは多分Sinのこと好きなんだよな、そういう意味で。

Sinの同僚の女性が家にやってくるも、彼女は猫アレルギーのため、SinはバスルームにMoojoomを閉じ込める(クソ彼氏ムーブ)。でものMoojoomために女性を帰してしまうという、Moojoomにとっては最高だけどもしかしたら女性にしてみたらクソなのかもしれないという話。

このあくまで猫でしかないというところが良い。猫的振る舞いのシーンは何も考えずに見てれば可愛いのと、実際の猫のシーンは言わずもがなとても可愛い。人類は猫には勝てない。

ほんとただひたすら可愛いので、もう少し見たいなと思う。猫っぽい問題や、猫っぽい楽しいシーンなど。他は人対人だから(喧嘩したりするんだろうな…)と勝手に考えて辛くなるが、ここはもう、猫なので。楽しい日常だけ送っていてください。

 

Willing or Not(MaxNat)

部員ゼロ柔道部のゴジラ先輩(Titan)xよわよわ小動物系新入生(Mini)。雰囲気の柔道と学園ラブコメみたいな空気感を楽しむ作品。

コミック演出は現地っぽい気がするのだけど、日本っぽい制服(タイはこういう制服普通にあるのかな)とか、日本語曲とか、日本っぽい効果音とか、終始日本のスポーツ系学園ラブコメ*4を意識して作られている。多分だけど、密着して倒れたり背負ったりするというところで、平時より距離感が曖昧になる柔道というスポーツをテーマに据えたところから日本的な方向性になったんだろうなと思った*5

なんにせよ、こういった形でテーマの対象となることに感慨深いものがある。

話としては、私の雑魚な英語力での理解なので間違っていたら申し訳ないのだが、多分Titanの一目惚れとかでMiniを勧誘して、一緒に練習したりしてる間にMiniも惹かれていって……という話。

「一度でも一本取れたら辞めてもいい」というTitanの接待柔道(わざと投げさせる)とか、Titanの進路(いつまでも柔道を続けてられない悲哀)とか意外とシビアだなと思った。

 

Just one life(YoonLay

小さな頃から恋愛運がない上に彼女に振られた男(Peem)xそんな彼に厄落としに行こうと提案する友達(Ping)。

片想いが可愛い。彼女とPeemがよりを戻して幸せになってくれることもPingにとってみればハッピーなことなんだろうけど、それでも少しでも一緒にいたくて、かつ自分も告白する勇気を持ちたくて、厄落としという理由で願掛けを案内するという健気なところが可愛い。

短編なのでしょうがないのだが、告白を受けたPeemが結構すぐにPingのことを受け入れているところがちょっと惜しいかなという気もする。これは別に「元がストレートだったから」とかじゃなくて、普通に友達だと思ってた人を急に意識しちゃって、というところが見たかったなというだけの話です。尺がないので酷なことなのですが……。

その点割とPingが片想いしてるんだな、というのは一生懸命提案したり説得したり、準備の良さからも見えてる感じがして、これはPingを描きたいのだな?ということが伝わって来たなと思う。

 

Dear My Star(JimmyTommy)

バンコクの洋楽とコミックが好きな高校生(Night)xチェンマイの行動派高校生(Mek)。

1990年代という、今よりももっと不便でアナログな手段しかなかった時代を舞台にしている。もはやこの古さの演出が、たとえ日本だったとしても妥当なのかどうかも私には判断ができない年代なのだが、とかくこの「携帯電話がない」ということがセンチメンタルで、かつNightとMekが二人の関係に没入していることを上手く表して*6いるなと思う。

手紙が届くまで待たなくちゃいけなかったり、好きな曲を聴いてもらうのにテープにダビングしなくちゃいけなかったり。電話が自分一人のものでないからいつまでも使っていられなかったり。そういうもどかしさが、二人の間で思いを大きくさせすぎてしまって、ただの友情じゃなくなってる感じが初々しくて良い。

やっぱりタイの高校って短パンなんだな……とは思った。

始まりそうな恋みたいな感じで終わっていくのすごいよかったです。このラストシーンがとても良く、ここを見て「この作品が一番好きかもしれない」と思った。あとNightの部屋の感じが、アメリカ映画の10代みたいな雰囲気の良さがあり、タイの1996年としてこれが適切なのかはわからないが私は好きだなと思った。

 

Imagine You(KimCop)

イケメンアイドル(Jedi)x彼の熱烈なファンのカフェ店員(Ray)。

大好きなアイドルが店に来て挙動不審になるRayの気持ちはわかるが、家に帰ったらVRのJediと会えるシステムが整っていて(Jediに関するクイズの優勝賞品)、そそくさと帰宅してそのことをVRに報告するのはちょっと笑ってしまった。

VRでいいや」と割り切った瞬間に部屋に具現化(VRセットの機能?)するJediとイチャイチャし始め、さらに本物のJediがRayの勤めるカフェに通い始め、RayはちょっとずつVRと現実の境目がわからなくなっていくのだが、これがなんというか、ちょっと怖い。

最後にJediから優勝者として認知されていたことで、VRに振り回されていたRayが「やっぱり本物しか勝たん」になるのだが、結局Rayの気分は全部Jedi次第で、そういうファンの身勝手もまたわからないでもない。失敗に落ち込むファンだから優しくしてくれるのか、それ以上の感情があるのか、匂わせて終わるのでRayにはまだきっとチャンスがあるんでしょう。

役者陣にすごい安定感を感じるな……と思ったらカップル営業長いらしい。

 

総括

全部映像が綺麗で、ロケーションもよく、詩的な印象の美しい短編ドラマだったなと思う。英語字幕で頑張らないといけないが、短編であることや綺麗さ重視で映像を作っている感じ、六組のカップル営業を一気に勉強できるという点で入門編として良いのではないかなと思う。私の玄関は実際には有名作品で、なかなか怒りながらの視聴であったことを思うと、格段に見やすい。

物語としても「もう少し見たい」とは思いこそすれ、割とちゃんとこれまでの二人や関係性の変化が描かれているので唐突な印象は受けづらかったように思う。極端にドラマチックなことが起きるわけでもないので強烈に夢中になる人もいなさそうではあるけど……。でもわたしはこういう方が好きだな。割と雰囲気に流されるタイプなので。

 

どのカップル営業がどう人気なのかはわかんないなと思って見始めたのだが、Twitterで状況確認する限り完全に一組目(OhmFluke)と六組目(KimCop)の圧勝のようです。

こういう営業って一回カップル役をした後に、また二人で別のドラマをやるのかな。

タイって芸能事務所というより制作会社に所属する形で芸能活動している人が多いように見えるが、ずっとそこが疑問。制作会社所属俳優とほぼフリーみたいな俳優がいるっぽいけどどういう仕組みなんでしょうね。

YGがGMMの合弁会社は事業内容としてはコンサートなどエンタメ事業とコンサルらしいが、これがその仕組みに対してどう働くものなのかは不明。どうにか体系的に理解できるようにならないだろうか。

 

20210614 追記

*1:何て表現するのが正解なの?

*2:規制されすぎてファンが盛り上げようと頑張りすぎるのを感じている。本人たちの負担になることが私は何よりも怖い。

*3:もしかしてそういう隠語か?

*4:そんなのある?

*5:適当な予測です。

*6:あまり使いたくないが、エモいというやつだ