サニーサイドアップフォーチュン

映画、特撮、演劇、ダンスボーカルグループ

感想『He's Coming To Me』『東京リベンジャーズ』

年末たくさん映画を見てすぐに感想を書かない限り、これが年内最後の更新だと思います。

今年も大変お世話になりました。エントリを整理したりブロググループを抜けたりしましたが、変わらず来年も続けて行きたいと思います。

よろしくお願いします。

He's Coming To Me~清明節、彼は僕のお墓の隣にやって来た


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見放題になったので見てました。

まず、人に勧めやすい内容・長さだと思った。12,3話前後あるドラマが多い中、この作品は8話と比較的短い上に、BL部分は「幽霊と人間のラブストーリー」なので純愛にしかなり得ない。結果的にキスシーン止まりなので観る場所も選ばない*1し、Metの出自を探るというストーリーもあるためやる事が多く中弛みしないので続けての視聴に耐え得る。個人的に、一度出てきたもの・描写されたものはちゃんと意味があるという、設定の使い方が好きだった。ただし、全てに理由と法則があるため、全てを説明することができ、感情の昂りや力技っぽい理屈で乗り切る場面はない。Ep6の母へのカムアウトシーンはThanの涙につられるが、Thanと Metの関係性においてどうしようもなく心が揺さぶれて夢中になる……というような雰囲気ではなかった。成仏するもんだと思って見てたから切なかったけど。

この話、Thanが少年時代に出会った幽霊Metに無自覚に好意を抱いて頑張るところから始まるのだが、このThanの「幽霊が見える」特殊能力と「ゲイである」というセクシュアリティをリンクさせていると思う。脚本の人こんな事思ってなかったらすみません。セクシュアリティに悩んでいる」描写は「Metを秘匿する」ということで比喩的に扱われているように見え、EP6でMetがThanのそばを離れてから大々的にセクシュアリティについてタンが悩み、名称こそ用いないがはっきりと「男性が好き」「女性を好きになれない」とカムアウトする。そのシーンの直前に「幽霊が見える体質」についても告白する。「秘匿され、他者と異なるThanの性質」であるその二つは、Thanにとって幽霊であるMetがいたからこそ自覚されたものであり、Thanの中でも作品の中でも同じレベルの話として扱われていると感じた。

Thanのカムアウトの描写がだいぶ内向きというか、もちろん他者への告白である以上反応は返ってくるが、みなさらっと受け入れてそのリアクションにあまり差異はない。どちらかと言えば、Than自身の自認に至る過程の方が細やかに示唆されていた感じで、あくまでこのドラマは自認に重きを置き受容の物語ではないのかなと思った。

 

東京リベンジャーズ

私は人よりちょっと少食で、鍋を食べに行った時「もう無理だな……」という顔で残りを見つめていたら、連れ*2に「ひよってるやついる?」と煽られ、「それ何?」って聞いたら東京リベンジャーズだった。

というわけで実写化映画を観た。個人的に、舞台版キャストが好き*3なのでちゃんと行けば良かったのだが、この状況下で舞台から足が遠のいている間に全てが終了していた。

正直言って、私はロイヤルでスマートな美青年が好きみたいなところがあり、不良とは真逆な位置にいる。かつ、黒銀の記憶しかなかったので不安だったが、普通に話が面白かったし、タケミチもマイキーもドラケンも熱くてカッコ良い。中盤のアッくんの立場など非常に切ないものがあり、夢を叶えたアッくんの姿などもとても良かった。正直、五人も仲間いてその中で重要そうなアッくんが磯村勇斗くんと言うだけで「裏切るんじゃないの?」と思っていたが、そんなことなくタケミチの親友でいてくれたのが非常に安心した。あとキヨマサが良い。兄貴肌で頼れるみたいなイメージが鈴木伸之さんにあるので、狭い世界で威張って利用される悪役っていうのが存外はまっていた。

ストーリーもわかりやすく、エンタメに振り切っておりなんにも考えずに見れた。原作から結構削ったりしたのかなというのはミツヤのキャストの割に活躍が少ないところとか、宙ぶらりんでヤンデレに見えるキサキやハンマ周りなどから感じる気もするが、これくらいに留めてくれないと私のように本当に何にも知らない人間には二時間では追いきれない。

アクションシーンも良かった。マイキーとドラケンは本当に規格外なんだというのが二人のアクションだけ派手で伝わりやすいし、そもそも全ての喧嘩が本当に泥臭い。ちゃんと痛そうだし、当代のイケメン俳優をあれだけ集めてガチでボロボロにするあたりなど好感度高い。顔が……全然もうわかんない……。

演出とか音声とか撮り方とか、特に気になるポイントはなく楽しく見れたのだが、そもそもストーリーの面で「この世界、警察機能して無さすぎ……?」と「1回目のタイムリープの条件と2回目以降が違うのはなんで?」というのが徹頭徹尾気になっており、そこは何かしら説明が欲しかったが、警察に関しては出てきたら話が進まないのでそういうものである。また、「結局キサキやハンマは何がしたいの?」という疑問については、「東京リベンジャーズ2」などをやることになった時に明かされるのだと思う。評判良かったら次やるんじゃないんですか?

どうなっていくのか、ということの正解はとりあえず置いておくとして、私は「ヒナを守るためにはタケミチが東京卍會を掌握する必要がある」と最初にナオトと話してる時に思ったし、見終わったあとは「キサキから東京卍會を守らないといけないのでは?」と思ったので、なんかそういう感じでタケミチはこれから半グレ界隈にズブズブになっていくのかなと思った。

なんで私がタケミチを素直に応援できたのかって、もうそんなのは万丈龍我と似てるからに決まってるんですねえ。龍我とタケミチは好きな子のために命張って、誰かのために一生懸命になって泣ける、優しい子なのよ。

とにかくマイキーがかわいいしとドラケンがカッコいい。ずっと仲良しでいてね。頼みます。

*1:男女問わず突然の濡れ場のある作品を移動中観るのはキツイだろう。

*2:しかも残念なことにこいつも少食。鍋は頑張って完食したがしばらく動けなかった。

*3:木津つばさくんも、松田凌さんも好き。