サニーサイドアップフォーチュン

映画、特撮、演劇、ダンスボーカルグループ

感想『ういらぶ。』『ハードコア』『ヤクザと家族 The Family』『春待つ僕ら』『アス』『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』

ういらぶ。

これでキュンとできる女子めちゃくちゃメンタル強いけど、茶髪の磯村勇斗さんが映るたびに全て許しかけた。茶髪の磯村勇斗さん見たさに見たので。常にナイスアシストをしている蛍太が大人で好き。もうなんかキャラクター同士のハラスメントだとか、展開がそうはならんやろだとか、色々指摘するほうが面倒くさい。平野紫耀くんの可愛さで乗り切るには無理がある。

映画だけど謎のアイキャッチがあったり、回想シーンがなんか怖かったりするなどいろいろあるが、もはやなんていうか、この作品に迎合できない(楽しめない)のなら見るなという話だと思った。年齢とかもそうだけど……。でも最後のおでこぐりぐりとオフショットは可愛かった。

そうは言えども茶髪の磯村勇斗さんは最高なのであった……。

 

ハードコア

こりゃゲームですね。だがゲームと違って受け身だったり足元を確認したり、当然のようにブレれるので尋常ではない揺れが常に続き、めちゃくちゃ疲れる。ストーリーとしての内容はほぼないに等しいけど、一応SFっぽい設定、エロい科学者のヒロイン、どっかで見たことあるようなサイコキネシスの使い手のボス、どっかで見たことあるようなサングラスの男、どっかで見たことあるようなホームレスっぽい男、どっかで見たとあるような指令受け取り用の携帯端末、唐突なエロ、唐突な日本刀ガール、どっかで見たことあるような火炎放射器男、技術者との友情……そういうのの繰り返しでどう見てもB級だし挟まってくるギャグもつまんないしで途中から逆に楽しくなってくる。

アクションの気持ちよさでそこそこ売れた洋ゲーの実況見てる感じで、これはこれで良かった。

 

ヤクザと家族 The Family

久々に映画でエグいくらい泣いた。

まず、時代の移り変わりによってヤクザという存在が大層生きづらくなっていく様が苦しいが、それが一般的に排除されることが正しいとされている反面で彼らもまた一個人でありというところからその苦しさが来る。社会からドロップアウトする方法はいくつかあり、それが不良という方向に向かった場合の最終的な受け皿は極道ということになると思う。が、それはもう前時代の話である。もちろん、社会的にはそういう人間に対して行政が働きかけるべきなんだけど、映画としてはそういう生き方を否定されて、「ただ普通に」を求めて手に入らないからこそ苦しく、やるせない。映画の中の彼らはお金と殺しでしか落とし前を示すことができず、あまりに不器用で浮世離れしていて良かった。

柴咲、山本、翼を描くときの構図や、色や、仲間の単位が繰り返されて、憧れや父性の継承・境遇への同情が確かにあったというのが切なかった。抱擁とか触れ合いって親密さそのものだと思うんだけど、自分を刺した細野のことも最後に抱きしめていた山本が、彩のことを抱きしめずに死んだの辛すぎると思っていたらMVで抱きしめていて泣いた。死んで初めて抱きしめることが出来たの悲しすぎる。

で、その彩に対して翼が山本の話しようというところでエンディングな訳だけど、この時の表情が本当に良かった。そもそも翼が山本に懐き同様に可愛がられていたからこそ、山本が「半グレ」で止まってる翼がこれ以上ドロップアウトしないで済むようにカチコミ行ったわけで、それを目の当たりにしてちゃんとわかっているからこその翼の表情だと思う。山本に懐いていた翼が、山本から受け取ったものを彩に継承することで、また一つの家族が繋がっていくんだろう。それはそれとして、金髪の磯村勇斗は最高なのであった。

中村はきっと組の外に家族がいない山本で、なんとしてでもシノギを確保し真面目に柴咲に尽くしたのであれば、その柴咲が死んだ後はもう何にも理由がない。殉じていたとしてなんらおかしくないのがつらい。

 

春待つ僕ら

思っていたより価値観が押しつけがましくない映画で良かった。バスケ部員の永久以外の3人もそれぞれ空気になることなく意外と見せ場があり、あくまでヒロイン・美月を含めた5人(だけではないが)の友情の映画という感じで良い。今回もメインヒーローにナイスアシストをする磯村勇斗さん良かったです。黒髪の磯村勇斗も最高。

また終始落ち着いたトーンで見やすく、気になるポイントもあることにはあるが、全体的な落ち着いた雰囲気や各登場人物の精神的な成長などが感じられる。「腐女子」という嗜好の使い方はともかくとして(美月の“ライバル”になり得ない女子としての属性だと思うが……)、彼女のお芝居はとてもよかったと思う。亜哉が永久のライバルたりうるのかというのは結構微妙なところで、基本的に再会してから美月の亜哉への好感度が永久へのそれを上回ってる感じがない。亜哉はあくまで美月の過去の理想であり、共に成長しようとするのは永久という描き方は前述の通り落ち着いた雰囲気に繋がっているけど、結果的に空回ってる感じの亜哉がちょっと怖かった。

マイペースでポヤポヤした永久はかなり北村匠海さん向きで、可愛らしく良かった。さらにLINEでのやり取りや、何気なく最寄り駅まで満員電車で庇ってくれるシーンが非常に胸キュンで素晴らしかった。

ところで、磯村勇斗さんに稲葉友さんということで平成二期のオタクはチェックしてると思う本作だが、なんと油断していると工藤美桜さんが出て来るのでびっくりする。みんな見ましょう。

 

アス

あんまり好きではなかった。そしてあまり怖くなかった。

ドッペルゲンガーとの繋がりの強度や生殖まわりの設定の甘さ、「こういうことは怖いよね」「こういう音や曲は緊張するよね」「こういう雰囲気は不安だよね」という積み重ねで容易に想像つくところ、ラストも正直ドッペルゲンガーが出て来た時点で「いま成り代わられるか」「すでに成り代わったあとか」のエンディングしかないことが予想出来てしまうし、いまいち乗れなかった。まあドッペルゲンガーたちの設定について私が飲み込めていないだけの可能性もある。

またこの作品の主題や評価として「格差、分断、差別、特権者の無自覚な傲慢」という話になってくるのが大多数だと思う。そういうふうに見られることを制作も期待している。見ている側が特権者なのか分断の向こう側にいるのかではなく、それら全てが「us」だというのはわかるが、シンプルにその表現方法が分断の解消のために暴力を使用したスリラー作品である理由が全くわからない。恐怖に対して正常かつ我々が推測できる反応は拒絶であって、これを見たからといって「格差の解消のために人民は分断された人々を慮り、連帯していかなければならないのです」とはならないだろ……と感じた。

一人二役のお芝居はすごく良かったのと、タイラー家でテーブルの上の死体(死んでなかったが)を囲んでテレビを見てるシーンは面白かった。

 

仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス

ドライブの幕引きとしては良い映画だった。剛くんとチェイスのやるせない友情、進ノ介と霧子の恋愛の行方などの描写は良かったと思う。また天空寺龍(タケル殿のパパ)とタケル殿の絆も、本編ですでに故人の人を扱える映画ならではという感じで良い。

仙人と課長のコントが本当に寒くてどうしようかと思ったし、タイムパラドックスをテーマに持ってくる気持ちはわかる(ベルトさんやチェイス、タケル殿のパパのことなどがあるため)が、その要素や作中設定の雑な扱いが目立つ。話もあんまり盛り上がる感じがなくのっぺりとした印象で楽しくはなかった。敵の魅力もそんなにない。

三秒くらい映るもののセリフなしのアラン様、めちゃくちゃかっこいいね。当然だが、メッシュの磯村勇斗も最高です。