感想『仮⾯ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』『貞子DX』『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!』

仮⾯ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル

どちらかといえば撮りたい絵があってそれに向けて話がある感じというか、ストーリーがこうなるからこういうシーンが生まれるというより、こういうところが撮りたいからこう進むみたいなイメージだった。リバイスはリバイスでこうありたいという展開があって、ギーツはギーツでこうであるという謎があるから、それぞれのギミックを使いつつも別個の話という感じでMovie大戦の風味だった。

一輝くんが経験した家族=バイスとの別れは単純にその場だけの別れというのではなく、それまでの人生をひっくるめた別れだと思うので、簡単にそれを無かったことにしなかったのが良かった。あそこで英寿くんが「バイスが消えない世界」を願うとなると、一輝くんとバイスのこれまでの戦いの全てを否定するのと変わらないと思うし、一輝くんが自分の強さでバイスと一緒に戻ってきたことを鑑みると、そんな願いをする必要なんかなくいつかまた出会うと信じられると思った。最後に英寿くんと寿司を食べてる時とか、相手が良くバイスを知らない英寿くんだからスルーされてたけど、一輝くんのリアクションからバイスを感じるものであったのできっとまた何か悪魔に魂を売ってでも戦わないといけない時が来たら出会えるんだろうと思う。

一輝くんが何も願わないの、一輝くんがリバイスの主人公で英寿くんが無敗のデザ神だからというのはメタ的にそうなんだけど、やっぱりそこで自分を出すことを是としない一輝くんと、願うべきだと言うバイスが元を正せば同じ存在なのってそれぞれが揃ってこそ一人という感じがする。一輝くんが理性的に欲望を押さえ付けてることに対して、バイスが欲のままに喋るということは、一輝くんのとてつもない我慢があってのことかとは思うけども、一輝くんの潔癖すぎるほどの無私は家族のヒーローであろうとし続ける姿そのものだと思うので、私は彼のそういうところが好きだと思う。

景和くんの中でカゲロウが見た悪魔(?)は、リバイスの世界では悪魔がいてもギーツの世界では悪魔はいないので、あれは景和くんという人が裏表(建前と悪魔という本音)なく本気で世界平和を願っているという意味だと解釈した。悪魔がいないギーツの世界であれがどう扱われるのかわからないけど、もしそれだけの理由ならこれで終わりかもしれない。今後再登場したりしたらごめんね。カゲロウが訝しんでたからしっかり回収される可能性はある。

バイスは家族への愛情がテーマの根幹にあって、今回もそれは変わらないから「家族への愛情」というテーマがとても分かりやすく作られていて、ギーツは「願い」という人それぞれなものを扱い、お互いに化かし合う中で徐々に見えてくるものをテーマにするから、本音を隠されて機微を感じ取る作りになっていて、そこも本編と違わずやってる感じが好きだった。一輝くんは言葉に出して家族への愛を貫こうとするけど、英寿くんは人知れず勝手にそれにシンパシーを感じて絆されてる感じ。あとギーツの戦い方が本当に格好良いし、要所要所でリバイスを立ててゆったり構えてるところがあるのがとても魅力的。

龍騎は見たことないので一体何が起きてるのかみたいなところも多々あったが、撮り方はめちゃくちゃカッコよかったので良かった。

それぞれのライダーの物語として見る分には楽しかったけど、一本の映画としてはまあちょっと……。

敵がまずそんなに魅力がないというか、薄味だと思う。シーカーは今後のための顔見せくらいなものだとは思うし、コラスの行動原理が謎である。デザグラ運営の中も色々あるようだから、まだ私たちが知らないことがあるゆえにそう思うのかなという感じもする。ゲームマスター同士の殺陣については、コラスの始末をライダーたちにつけさせないという点で仕方ないのかなとは思う。

幸四郎もなんだけど、ギフに滅亡させられた機械生命体という敵もなんか唐突に生えてきてる感じがする。そもそも、リバイス世界で色々起きた問題や残してしまったことに対して、ギーツ世界では反映されていないし、ギーツ世界では普通にスターの英寿くんだって、リバイス世界ではスルーされている。なぜかチャンネルだけが相互に作用していて、全く違う話をそれぞれ放送する中で制作されるお祭り映画なのだからそんなこと言ったって仕方ないのだけど、少し気になってしまう。

あとなんか、ギャグがそんなに面白くない。ツムリが最終戦を「シカゲーム」と発表したところは笑いそうになったし、ゴール寸前で一輝くんと英寿くんの長い足でちっちゃい乗り物を漕いでるのも可愛いけど、全体としてギャグはそんな面白くないと思う。スシローもわかっちゃいるが……という気持ち。おじいちゃんとおばあちゃんに優しい英寿くんはかっこいいけど。

ギーツ始まってから英寿くんに常にメロの状態なので言わずもがなだけど、今回はチーム戦ということで景和くん、祢音ちゃん、道長くんと協力する構図だったのがすごく良かった。ボードゲームカフェで仮装してゲームを楽しむところから、全く仮装する意味がないのに可愛かったし、全てが終わった後に景和くんや祢音ちゃんの安否について英寿くんが気遣うような言葉を口にしたのも良かった。

 

貞子DX

とても楽しかった!

正直、貞子で怖がらせようとするのはもう無理な世の中になっているので、そこを軽やかに捨てたことが本作のとても良い点だと思う。IQ200の天才女子大学生主人公・一条文華と、自称占いの王子様のナルシスト・前田王司、謎の協力者・感電ロイドというキャラクター設定を聞いておきながら「とっても怖いホラー」を期待してこの映画を観ようとする人がいたら、多分その人はそういう強固な先入観で日常損することがあるんじゃないかってくらいあまりにも何もかもが明白なスタートだと思う。

文華ちゃんはあくまで家族のために呪いを解明しようとしていて、全然まったく王司との関係がそれに影響を及ぼすこともない。王司は「王子様」を名乗りながら終始ビビって文華ちゃんの影に隠れており、しまいには「文華ちゃんが王子様、俺はお姫様の気分」と言い出す。バディとして息が合うところがほぼないし、文華ちゃんは王司の鬱陶しいところを事件が終わってからも鬱陶しいと思い続けてるのが良い。全然仲良くならん。

で、そんな中でKenshinが幼少期からプリントゴッコでお札を量産し、そんな曰くが全くなさそうなものを多額のお金と交換している父を直近で見て育ち、自分が供給して演出しなくてはいけないものと信心みたいなのに板挟みになっていたみたいなところはちょっと『女神の継承』を感じつつ、そんな事情は文華ちゃんや王司くんにはまるで関係ないのが良かった。一応観客には見せてくれるもののそんなに尺を割いているわけでもなく、文華ちゃんと王司くんにとっての問題は「血清」たる対抗策を見つけるというところから逸脱しない。貞子やKenshinにこんなに悲しいことがあり…というようなくだりをバッサリ切り捨て、『リング』で生み出された貞子感染の仕組みのルールを大切にし、あとはもう狂った展開に身を任せたところが好きだった。

 

仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!

フォーゼは放送時期的に絆と友情をとても大事にする作品で基本的に陽気なテンションだが、映画も丸々一本陽気ですごかった。そもそもここにハマれるかどうかでフォーゼそのものへの評価も変わってくると思うのでその辺りへの言及は最小限にしようと思うが、一つ思ったのはそういうわかりやすいキャラクター設定にすごくフォーゼを感じる。

弦太朗が本編で築いた全ての絆が最終フォームとして活き、またライダー部それぞれも出来ることでしっかり事件の中で見せ場ができてより楽しい作品だった。お揃いのつなぎの演出が格好良い。

というなかで朔田流星の見せ場が良く、人間関係や責任に対して思いが強い流星が弦太朗たちのために頑張るのが良かった。そして友子との関係を強調されていて良かった。

ただ、インガの設定は良いとしてなぜあの造形にしたのかに若干疑問があり、まあスタッフがこういう人出したかったんだろうなと思った。流星はまだ高校生なので手を出さないでください。正直そんなに谷間映したいならそれ用の映画撮れば?と思う。仮面ライダーでわざわざやることではないし、単純に監督のフェチズムだと思う。アクションも妙に間伸びしていると思う。

あと、敵キャラが昔の作品のリバイバルなのは、正直言って全くテンションが上がるものではないのだけど、ギリギリ今作のテクノロジーに合致する形に変更になってはいたかなと思う。