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舞台『刀剣乱舞』无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-感想

刀剣乱舞 无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-


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序盤が本当につらい。真田十勇士にハマれないと乗り切れないなと思った。

高台院が出てきて時間軸としてすでに逸脱しているということと、その状況の最低限の収束に動き出して以降は楽しく見れた。思うに、序盤のVCR演出などもかなり乗り切れない一因ではあるけど、劇場の都合や体力の温存やけがの防止などいろいろなことを思う。

前作見てるときに秀忠も見てえよって言っていたら普通に出てきて笑ってしまった。ちゃんとHPを確認していないのがまるわかりですね。

これまでもののふの生きざまであるとか、死にざまであるとかそういう話をしていた中で、高台院がそれをくだらないことというのが良かったが、結局死にゆく定めの物語であるので、どのようにもののふとして、「豊臣秀吉」の血筋の物語として生きていくのか覚悟を決めた秀頼公が民を巻き込んで大阪の地で戦をし、火の海にしてしまうのと(火を放ったのは劇中では徳川方ということになっている)、民のために犠牲を払って終わりにしようとする徳川秀忠という二世同士の戦いに帰結したところはとても好きだった。己が運命として天下を求めた豊臣秀頼が、器量でないことを悟り時代の最後を自らの死で決める、という全体通しての流れなんだと思う。

秀頼公が腹を召される際の介錯高台院なのだが、まあ高台院(母)が子を斬るということの残酷さと無意味さに関して意味ある場面とは思うけども、武芸者でもない女の細腕でという気持ちも捨てきれず、また暗転の映像演出や生首におよよ……となった。赤い布による血液の演出は生々しくて良かった。

あと三日月と鶴丸が本丸を想う時のマネキンが怖かった。

三日月の円環っていうのが何なのかはよくわかっていないのだけど、仮に今のところはステ、ミュ、映画、アニメ、そして私たちそれぞれのセーブデータにいたるまでが可能性のあるルートということなのかなと思ってる。そしてその三日月と何かを察しているっぽい鶴丸の意味深な会話であるとか、信頼感のある軽口のお芝居が本当に良くて見ごたえあった。

これ、ラスボスは黒田官兵衛なんでしょうか。