サニーサイドアップフォーチュン

映画、特撮、演劇、ダンスボーカルグループ

『神々の悪戯』と『私の頭の中の消しゴム』

 

あんな失礼なブログ書くんじゃなかったかしら。

 

CBGKシブゲキ!!
最後列でも舞台上の演者の表情が分かり、その息づかいが届く距離。
客席数にして242席、近年の渋谷には無かったサイズの劇場空間です。

行ったことないのだけれど、シアターサンモール294席なので想像がつく。

 

行く気が全くなかった。コンテンツでこうも差をつけられると凹むからだ。そんな私がどうして行くことにしたのかというと、

マジかよ。

 

 

行ってきました神ステ。とりあえずアポロン様エンドを観てきたので感想書きます。

ハデスエンドすごく良かったそうなので行けば良かったと今は思う。

 

あとついでに『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』の話も少しある。

 

・2.5感あるオープニング

アイドルKのオープニングのような出だし。歌う、踊る、謎のナレーションベースでのあらすじ説明。

説明されている間思った。「改めて説明されてしまうとストーリー意味不明じゃない?」

 

・舞台化してもなおカスいシナリオ

でもよくまとまっていたと思う。

あのあまりにも乙女ゲーム的な、あまりにも御都合主義で意味不明なストーリーを、いい感じにかいつまんでまとめている。さっさと分岐させてしまうあたりも、一人の攻略対象のエピソードをしっかり払う意味でとても良い選択だった。

乙女ゲームとして外せない甘いシーン、ストーリーとして重要なシーンは大抵セットだが、甘くなりすぎてくどくなる一歩手前くらいでサクサク進むところは、とても神あそ的で良かったと思う。

神あそは攻略対象が神話の神々(字面の圧)であるために、シリアス重要ポイントが大抵人間の基準からぶっ飛んでいる。改めて生身の人間から説明されると意味不明すぎてヤバイのだが、それを「そういうものだから」サクサクこなしていくところに、終始好感が持てた。

客が違和感を覚えるまでにやっちゃえばいいんだよ、的な。

 

・衣装と曲

ゼウスの衣装、透けている。

ゼウスの杖、ダメージを与えないために地面につかないようにしている。

オープニングなどの背中から光を受けたりする格好良さげな演出の最中とか、もうゼウスのマントが気になって仕方がない。スッケスケ、もはや光ってる。サテンを使うのは仕方ないんだがサテンはツルツルしてつれるのわかってるんだからどうにかしてくれないか。当て布したら裏芯くらいアイロンで接着出来るんじゃないか?

あと杖は最初の方に一瞬でて、そのあと出てこない。使わないなら初めから無くても何も言わなかったよ!!と思った。逆に途中から無いことの方が気になるよ!!

神あその名曲BGMと言えば『切望lolite』……流れません。原作では使われていたアポロン様のキャラソン『光の中』のピアノアレンジ(攻略対象のルートでその攻略対象が歌うキャラソンのピアノアレンジが使われるのは、うたプリと同じ方式だ)……流れません。

曲が舞台専用に書き下ろされている。

それ自体は別に何も珍しくは無いだろう。曲をそのまま使うなんてことを大々的に言っていたのは、青エクくらいなんじゃないだろうか。

じゃあなんでそんなことを言うのかと言うと、劇シャイ『忍び道』では『忍び道』を歌ったからだ。

まず、この力の入れ具合の差が気に入らないのだ私は。そりゃあコンテンツとしては神あそはうたプリに遠く及ばない。わかっている。

だが同じレーベルから、明らかに後継のゲームシステムで発売した作品じゃないか。どうしてこうも差をつけられなければいけないのだ。

神ステ(神あその舞台のこと)は明らかにめいこい(明治東京恋伽。舞台化済み)よりもお金をかけてもらっていない。明らかに惰性で舞台化している。

作り手が、コンテンツの生みの親たちが、本気でそのコンテンツを売るために舞台化させたわけじゃないと観客が感じている。こんなに悲しいことある?

やる気ないならやらないでいてくれた方が良かったよ。

 

・身長差がサイコー

通常観ているマーベラス舞台だったら、このような身長差は見れなかったかもしれない。

神々の身長の高さ! これぞ二次元と思った。

結衣ちゃんが小柄であるから、抱きしめた時など、本当に「抱きすくめる」感じだったし、本当にギュウっと抱きしめている臨場感があった。

 

・神化したときの演出

「これが観たかったんだろ?」とばかりにもったいつけられて、布をびらびらさせながら、早替えしたアポロン様が登場してくる。

でも結衣ちゃん出てくるとそれが引っ込んでしまい、映されている映像だけになる。結衣ちゃんは「あ、熱い!」とか「きゃあ!」とか何らかの何かに対抗しているらしいのだが客から見ると全部一人でやってるみたいになる。

布、あるなら!それ!使って!

あと別にここで歌わなくても良いんじゃね?

 

・唐突な神社

結衣ちゃんは神社の家の子だ。神社の蔵にあった剣に選ばれて、箱庭(ゼウスの作った愛を知らぬ神々のための学び舎)に召喚される。

この辺をまったく最初のナレーションで説明しないため、エンディング間際になって急に神社の設定が出てくる。

最初にそれ入れとけば?

 

・マナー

前のめり観劇はやめろ、上演中にメモとるの気になる、通路に足投げ出すな、席ついて自撮りするな、インスタのストーリー撮影するな。

前のめり観劇に挟まれた時殴ろうかと思った。特定のシーンで身を乗り出すしやたらアピる(席悪いのに)ので薄々わかるが、あの子のファンはこう言うマナーも守れないのかと書かれたくないならマナーくらい身につけてから来い。

 

 

……とまあ、あまり可愛くないことも書いたが、概ねよく頑張ったと思う。神と人なので別々の世界で生きていくために離れなければならないシーンとか、もっと観させてくれ〜って思えたもの。

客の入りも思ったよりよかったし、お願いだから残りもよろしくお願いします。

 

 

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ついでに『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』の感想も書く。

去年ぶりの消しゴムである。
まあ誰の公演行ったかとか普段の傾向から薄々わかるとは思うので、薄々わかってる感じでサラッと書く。

 

・セットと演出

セットが違うという事前情報があったので、演出変わっているのかと思ったがなんにも変わってなかった。

セットも今までのセットが搬入できなかったから新しくなっただけのようだ。

段差が少なくなったぶん、とても家っぽい。二人の家、という感じだ。

まったく同じ演出だと、演者さんが板の上に現れた瞬間から分かるのだけれど、ということは9回の間ずっと同じ演出なのかと思って純粋に心配になった。けど去年と同じところで泣いたので、あれが、あの演出が、あの作品にとって最適化された形なのだろうと思うに留まる。

 

・演者さんの話

なんて素晴らしい演技をするのだろう、と何様なんだという感想を抱いた。あまりにも浩介で、あまりにも薫だった。

背筋を伸ばした薫のお嬢様然とした姿も、伏せるように視線を落とし台本を見つめる浩介もまあそのまんま、そのまんまだと感じた。

顔伏せてたら見えないから顔あげなよ、と思ったりもしたが、顔を伏せているからこそ明後日の方向に目をやる仕草とか、ハッとして薫を見つめる目とか、泣き崩れる姿とか、そういう姿がリアリティを持ってそこにあった。

薫はあんなに泣きながら一切の淀みなく話し続けていた。カテコでちょける姿が可愛すぎた。

叫ぶように手紙を読む薫の反対側で、悲しみに暮れる浩介の姿があるのが、結構好きだった。

 

以上、お疲れ様でした!