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エンターテイメント感想ブログ

『トゥーランドット』感想の序文(ほぼネタバレなし)

!!ポエムです!!

忘れたくない舞台があって、覚えていられたら幸せな物語があった。

演じている役者が観客と同じように、その作品のことを好きでいてくれたら嬉しいと思う演目があったとして、でもその人にとっては一つの仕事でしかないんだよなとか無駄に考えると思うんだけど、例えばそれが一つの歴史として残っていること。少年社中という一つの劇団が歩んできた歴史であるということ、私も観客としていくつかの作品を観て、その空間の中にいられた光栄を思い出した。それはこの作品が好きだと私が思って、それを観るという機会に恵まれた光栄である。冒頭の、少年社中作品の中から選ばれたいくつかのセリフ。あの時あの劇場で観たのだと思い出す私がいて、涙が出た。パラノイアサーカス、コバヤシ少年、思い返せばあの作品もサンシャイン劇場だったのだ。

「演劇で世界を変える」というコピーを、たぶん私たちは信じたい。それは私たちが物語を好きだからであるし、俳優が好きだからだ。彼らが演じた物語だから好きなのだ。いや、まあ演目の物語だって好きなのはそうなのだけれど。あの人が板の上にいたから、私は劇場まで足を運んだし、その物語に没頭した。きっかけとして、物語を愛するきっかけとして、俳優がある。そういうこともあるでしょ?

だから、彼らが私の、観客の愛した物語を愛してくれたらと思う。好きな人の大事なものを愛せたらと思うし、観客の好きなものがあの人の大事なものならと思う。それが許してもらえてる、そういう風に感じる舞台だった。

支配人の前口上に感じるところがみんなあると思う。ゾクゾクした。いや、観てる間じゅう正確にはずっとゾクゾクしっぱなしだった。張り上げられる声にも、音にも、セリフにもゾクゾクした。

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演劇で世界を変えられる、変えられそうな熱い俳優の松田さん鈴木さんが、一つのようにステージの上で特別であることの良さを思う。斎藤一と風間千景だったし、コバヤシ少年とルパンだったし、金木研と西尾錦だったし、中村半次郎佐川官兵衛だったし、後なんかあったかわかんないけど、何度もそうやって共演したのを観てきて、けれど今回は相対するわけではないというその良さ。同じ目的があるもの同士ということだけど、なんかもう変えちゃうよ、世界変えちゃうよこれは。

演劇で世界を変える。どこの、なにを。他でもないあなたの、そして私の。

カラスの言う「一緒にいたい」という愛情の形を、観客的に表現するなら「終わらないでほしい」とか「また観たい」とかなのかもしれない。「命を賭けて上演する」とカラスが言うから、私も思う。命を賭けて観るしかねえな! 長時間座っていると寿命が縮むらしいから、いやもうそれは文字通りの意味になっちゃうけど。

ああもう、熱くて、心にダイレクトに訴えかけてきて、最高だ。

 

と、頭の奥底で考えてたら終演していた。

演じることを生業にする人を好きな人、舞台芸術が好きな人、基本的に、刺さること間違いなしだと思う。私はめちゃくちゃ泣きながら観た。なので、みんなにも観て欲しいと思った。

これからまだ観劇の予定があるので、それを済ませて、マイルールに則って、東京の公演期間が終わったら更新したい。こんなポエムじゃない感想エントリを。

 

少年社中さん、本当におめでとうございます。これからもステキな演劇を楽しみにしております。