昨年末公開された『仮面ライダー 令和 ザ・ファーストジェネレーション』をやっと見に行ってきたので記録を残す。
まず時系列についてだけれど、冒頭の或人くんの寝坊からバイクで出社する流れが、雷に怒られたときと同じであるから、例えばあの日で分岐したとか、そもそも脚本の上がりが雷より前で被っちゃったとかそういうことですかね。
なんか多分テレビシリーズ換算でどこに当たるのかについて考えてないような気がしますね。
そして尺は足りてないような感じがある。仮面ライダーは子供が楽しめないといけないので、そうすると時間がだいぶ限られてしまう。私より先にスターウォーズを見始めた友人が、私の後に映画館を出てきたくらいの長さで、たぶんこれが最適なんだろう。これはまた後述するけど。
- 或人くんの夢の系譜としての物語
- オーマジオウを経るということ
- イズちゃんと或人くん
- AIMSというバディ
- ジオウ組の安定感
- 全体的にアクションがとても良い
- 是之助社長のウィルへのリアクションなど
- フィーニスというティードすぎる人
- 衛星アークの支配力とそれを逃れるヒューマギア
- ゼアが打ちあがっていないということ
或人くんの夢の系譜としての物語
幼い或人くんの夢――「父を心から笑わせる」が、父・其雄さんの夢「或人くんと其雄さんが笑う」世界につながっていくところがとてもよく、それをきっかけに或人くんの夢がさらに大きく「人間とヒューマギアが笑いあえる世界」になるところがいいな。
昨年、おととしと割と真面目に「ヒーローとしての在り方を学ぶ」ことを描いていただけに、今年の或人くんがソウゴくんから何かを吸収するようなところをあまり見せないのが独特のように感じた。*1
或人くんが改変の影響を受けないというのは、昨年のシンゴのような、つまり特異点ということだろうか?――と考えていたら最後にゼアとリンクしていたからという説明がある。ふうん?便利だな。
個人的には或人くんが曇った時にする苦しそうな顔や声が良いなと思っているので、冬映画からこんなに落ち込む或人くんが可哀想であると同時に良かったと思う。或人くんわりと視聴者の大人にその精神性を心配されている*2ところがあると思っているので、こうやって曇ることを見せられるとこれからもシンギュラリティについて悶々とする時が来るのではないかと感じる。マギアになってしまったヒューマギアのシンギュラリティについて、など。
オーマジオウを経るということ
ソウゴくんかっこいいな!
あの学園生活がやはりソウゴくんの創造した「普通の生活」である以上、何かあればウォズが駆け付けて状況について教えてくれるという保険が残っている感じも魔王だなと思う。
奥野くんのインタビューにあるように、オーマジオウを経ることによって達観したソウゴくんがとてもかっこよく、大人び、ヒーローというよりまさに魔王として君臨している感じがとてもよかったなと思う。
最後にソウゴくんが下した「新しい時代とは交わらない」という判断が「果たしてなんか意味あるのかな?」と思わないでもないが、平成を象徴するソウゴくんが客演を限界まで削った今作でその結論になるのが、区切りを感じてしんみりした。
イズちゃんと或人くん
私はビルドが好きで、ビルドというのは一年間濃厚に戦兎くんと龍我のもめ事を放送し続けていたので、イズちゃんが或人くんの夢によってシンギュラリティに近づいていくことも、或人くんがそれを笑って受け止めてるところも爽やかでいいなと思う。
本編でもそうと言えばそうなのだけど、映画は特に「イズちゃんが或人くんに対して」というのを強めに描いていて、本編で或人くんがイズちゃんが害された時に迅や副添さんに怒ったりしていたことの対比としてとてもよかったと思う。
AIMSというバディ
二人がレジスタンスの最大戦力になっている感じが熱い。双璧である。
イズちゃんと或人くんが爽やかであればあるほど、二人の「全面的に志を一つにするわけではない」といういびつさが際立つ。二人は今はAIMSという組織でつながってはいるけれど、完全な相棒とは程遠いんだな……転職しませんか唯阿さん。
ラストのあの不穏な会話、伏線*3として回収されるのかな。
ジオウ組の安定感
世界を守るため、苦しむ人を救うためなどではなく、「自分たちの平穏な世界を取り戻すため」というなんとも魔王的な理由で戦っているところが楽しい。ヒーローという感じではないけど。
全体的にアクションがとても良い
AIMSのカーチェイスもジオウ組の校内でのアクションもとてもよかった。ちゃんとそれぞれの特色を活かしたアクションになっていたのもそうだし、キャストがとても多くアクションをこなしている印象を受けた。
あとなんかレジスタンスの人たちが濃すぎてジオウの映画見たときと同じ気持ちになった。レジスタンスのビジュ決めた人、平常心じゃなくない?ウケる。
是之助社長のウィルへのリアクションなど
この問題については12年前のことであると思うと「もしかしたらこれからの12年の中で或人くんのヒューマギアへの想いなどを見ることによって変化していくのかもしれない」と私は思っていて、つまりはああやってラーニングし始めた個体や道具として認識しない人間とかを見て初めて「ヒューマギアが人間と友好的に共存できる」ということについて考えたのだろうなと思う。
私も急にSiriに「対価はないのですか」などと尋ねられたら笑ってごまかす。
しかしこれは映画なので、尺さえあれば或人くんとの会話などが生まれるなどして先代の想いを掘り下げることもできただろうし、そもそもこの「先代」という存在がこれからの物語の伏線的なところがあるはずだから、難しいところだと思う。
フィーニスというティードすぎる人
何しに来たんだ?
ティードも相当何しに来たのかわからなかったけれど、フィーニスは本当に何しに来たのかわからない。時空を転移するのにゲイツのタイムマジーンがいるのに最初どうやって来たんだ。
この人の場合は多分尺があってもわからないと思う。なぜなら先輩タイムジャッカーたるウールとオーラも結果よくわからない人たちだったから。
衛星アークの支配力とそれを逃れるヒューマギア
なんで其雄さんが「アークに支配されたふり」をしていたのかとか、「シェスタが急に或人くんを推した理由」とかが、急だったんじゃないかな。
其雄さんやシェスタに対してのアークの支配力弱い。
これはもうたぶんあんまり説明する気がなさそうであると思う。
ゼアが打ちあがっていないということ
ゼアが打ちあがっていないのになぜ或人くんはバイクに乗って出社でき、打ちあがっていないのになぜ変身できるのか。
或人くんとイズちゃんははゼアとリンクしていたから改変を免れ、そのゼアは12年間レジスタンスの本拠地で守られ打ち上げの時を待ち、イズちゃんはゼアの試算結果を或人くんに説明している、つまり起動していて使用できる状態ではある?
バッタちゃんは地中からやって来るということはレジスタンスの基地から地面を掘って来てるのかな。
とまあ色々書いたけど、熱いシーンもあったし、少年たちが熱く語っていたからもう全然良いんじゃないかなと思う。
ラストの1000%社長に対して「なんなの!?」とキレている少年がいたのが最高だった。わかる。
インスタもあとで更新します。
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