夜明けの星を待ってる

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感想『F4Thailand/BOYS OVER FLOWERS』『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』

一生始まらないかに思われたF4も、始まったらすぐ終わってしまったのでその感想と、しにつかの映画。

F4Thailand/BOYS OVER FLOWERS

いつも*1の予防線だが、本エントリは私個人の感想である。布教でもなければPRでもないし、ましてやプロの批評のような鋭い切り口や的確な表現を期待されても困る。

私は私が感じたように、思ったことを書くまでなので、合わなさそうだなと思うのであれば無理して読んでいただく必要はなく、何かもっと有意義なことに時間を使ってもらえると私も嬉しい。

 

なんと最初のtrailerは2020年12月公開なので、放送開始まで一年あったことになる。

 

感想はツイートしていたので各話についてはこちらを見ていただくと良い。驚くほど長いが。

なにより毎週各フォロワーのTLのこの大量のツイートたちで埋め尽くしていたと思うと本当に申し訳がない。

EP0で「階層について描く」と話しており、これは本当にちゃんと取り組んでいたと思う。『F4』と『Not me』が同時期に放送されていたことが強烈だなあと感じた。

Goryaは恐らく本物の底辺ではないが、どう見ても裕福ではない。Thymeは本物の富豪で、そういう二人の価値観の違いとか、向き合わなければいけない現実の差とか。もちろんそれが恋愛の障害としても印象的だが、社会の問題として見せたいんだなというのが伝わって来ていたと思う。

Thymeが赤札を出すことで行っていた恐怖政治、暴力沙汰についてきちんと責任を取っているような描写があったのも現代的だった。TalayとPhuphaのエピソードにかなりの時間を割いて、キャラクターとしての重みがあったと思う。もう日本版の記憶も朧げ・原作未読なので昔がどうだったかはわからないけど……。ただ、謝罪をし許されないのであれば法に従い、という流れは、結局Thymeの背中にある大量の従業員の生活を思うと「許さない」という選択をする難しさのようにも思うし、流石に謝罪で終わりではないのでは、とは思うものの明言もされていないのでやや釈然としない感覚はあった。

花より男子』は三十年前のコミックであり、当たり前に三十年前の世界で描かれている。これをこのまま2022年に持ってきてしまうと、どうやったって現代にそぐわないということになる。価値観もそうだけど、環境、デバイス、ファッションとか、昔は無かったけど今は普通なものがたくさんある。そもそも、原作は日本のコミックであるものをタイでやるにあたって、ローカライズさせることの難しさもある。今回、この部分にストレスがなく見やすかった。SNSもちゃんと使われるし、インターネットで調べるし、監視カメラもある。西門の家は茶道の家元だが、そういう文化がないためKittiyangkul家は由緒正しき家系で政府高官も輩出していることになっており、伝統的な花輪作りを嗜むことになっている。

もはや大体のフォーマットが合っていれば『花より男子』として成立するんだなと思ったし、「庶民の女の子と富豪の御曹司」という組み合わせに社会の問題を反映させて、ただ三十年前のコミックを引っ張り出して来ただけになっていないのが好きだった。

 

私は反復や対比──以前出てきたシチュエーション、場所、アイテム、セリフがことごとく再登場する──を繰り返すと気持ち良くなる。

Twitterでも同じ話をずっとしてしまったのでしつこいとは思うが、タイの『ズートピア』たる*2『F4Thailand』は反復と対比をしょっちゅう、かつわかりやすく使っている。作劇のセオリーだね、と言われたらそれまでだけど見てる私が気持ち良かったので最高でした。

 

それで、これだけ一生懸命観ておきながら、私は特に誰のファンでもない。ただ単純に、『花より男子』再リメイクというだけでドラマを楽しみにしていた。前段階の脚本準備に相当な時間を要し、放送開始までCOVID‑19での撮影中断なども含むおよそ2年間など、キャストスタッフのSNS・情報などを知らない。ファンの動きも詳しく観察していたわけではないが、それでも大人気BL作品『2gether』主演コンビに挟まれるが故に、熱心なファンによる熱心な活動(オブラート)があったことは認識している。放送が始まってもなおファンが執心していたのも確認していた。作品に他作品の役を投影するなとは言わないし、特定の役者同士が別の役で再共演することに対してファンが自分の想いを乗せて文章にするのは何ら違和感のあることではない。私もやる。が、それが他の演者に対し失礼であってはならないと思うし、自ら恣意的に見た“事実”に基づく自分の主観であることを忘れてはならないと思う。「客観的な事実」として判断しているのも、「主観的なあなた」だからという矛盾があり、自分の属性が自分の認知を確定する。そういうことを強く考えた作品でもあった(オブラート)。

 

BrightとTu、二人とも非常にハマり役だったと思う。ThymeもGoryaも、変な言い方だがパワータイプのキャラクターで、いつもドカンと感情を爆発させて、その推進力で道を切り開く。どちらもそういうお芝居が非常に合っているし、とても良かった。Tu、Dew、Naniの初挑戦組が非常に素晴らしく、激情も繊細さの表現も本当に良かったと思う。

ThymeとGoryaが良かったのはもちろんだけど、KavinとKaningも本当に可愛く、身長が半分くらいしかないんじゃないかというビジュアルはもちろん、Kaningという健気さに絆されていくKavinも本当によく、1時間半くらいのスペシャルエピソードを作って両カップルのただただ幸せなところをひたすら流してほしいと思った。

あとは予算と協力会社が凄まじいと思った。忖度商品についてはもう全力でスルーしていくが(仕方ないので)ロケーションやら提供やらがとにかく派手なことになっている。スケール感は維持しなくてはいけない一方、コロナ禍で撮影人数に制限があったりしただろうし妙にこじんまりしたりせずやり通した感はあったんじゃないかな。

 

死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-

十蘭ちゃん可愛い〜!! 256歳のおじいちゃんなのに幻士郎父子のことが大好きなふわふわの子犬ちゃんでした。基本的にキャラクターがみんな可愛くて、幻士郎もちゃらんぽらんなだけでなく命を賭けて忠義に生きるかっこいいところがあり、新之助も放蕩者でありつつ愛嬌がある。喧嘩しつつも基本的に仲良しの幻士郎と十蘭という不思議な関係が魅力的で、ツンデレ十蘭が自分に懐ききってることに幻士郎が気付いてるし、十蘭は十蘭で幻士郎を心配したり助けたり注意したりしまくって世話焼いている。可愛いバディです本当に。新之助は映画では後半に見せ場が無かったが、舞台を見たらどうして十蘭が見えるのかとかがわかるんだろうね。

はい可愛い

私は2017年からずっと東映に慣れ親しんでいるのだけど、この映画は本当にいつもの東映特撮で本当に健康に良いと思った。まさに実家のような安心感あるカメラワーク、演出、あくまでも特撮作品から派生させているのだというのを感じた。ビジュアルのぶっ飛んだ色彩やスタイリングはいかにも舞台映えし、アクションの特撮感と鈴木拡樹の殺陣がまた良い味だったと思う。

ストーリーは半分見たら誰であっても最後までの展開がわかる(言い過ぎ)感じなのだけど、それをやら切る気持ちの良い王道さも好きで、ちょっと切ないヒーローものに仕上がっていて良かった。ずっと楽しい気持ちで観れる作品。あと個人的には「死」の表現がめちゃくちゃマイルドになってるなと思って、これが特撮の系譜なのかコロナ禍を受けてなのかはわからないところだけど「楽しいエンタメ作品」としてのしにつかにはちょうど良い塩梅だったとように感じた。

ただ、メイクが全体的に土気た色になっていて妙だったのでそこは直してください。

*1:してない時の方が多い。

*2:そんなことを言っているのは私だけだが。