サニーサイドアップフォーチュン

映画、特撮、演劇、ダンスボーカルグループ

感想『ガール・ビフォア -私そっくりの女が住んでいた家-』『トップガン マーヴェリック』『ヴィジット』

ガール・ビフォア -私そっくりの女が住んでいた家-

面白かったけどとても辛かった。各登場人物が喪失でおかしくなるなか、踏みとどまろうとするジェーンが格好良い。

エマの死という深く暗い謎と、その周りでみんなが秘密と乗り越えるべきさまざまな問題を抱えていてひたすらに苦しい。「女性」であるが故に晒されやすい苦難や被害があって、それにどう向き合っていくのかやどう苦しんでいるのかの描写が丁寧で息が詰まる。目が離せなくて、ずっと続けて見てしまったのでとても疲れた。

舞台となる家は日本の思想ってやつに影響を受けているので、外観も内装もなんだか馴染みがよく見やすいなと思った。

 

トップガン マーヴェリック

面白すぎる。あまりにも面白すぎる。

一作目は今年に入ってからこの映画のために観ていて、つまらないというほどではなかったけれど「これが当時の“かっこいい”アメリカか〜」と感じていて、なるほどなあと思うに留まっていた。が、この二作目、あまりにも二作目として素晴らしい出来だったのでものすごく楽しんだ。全然、前作の世代でもないのに何分かに一回泣いていたので、前作ファンの人はもう大変だと思う。

前作のオマージュがとても丁寧で、まずオープニングから涙出るくらい丁寧に一作目をなぞっているのだけど、同じ展開をただ繰り返すのではなく別のシチュエーションで出して来るのがすごい。意味のないシーンも、だれる時間もなければ、緊張感も集中力も最後まで持続する最強のエンタメだった。そして36年経ってるのにあの80年台のかっこいいアメリカと、あの頃のスターウォーズみたいな作戦(とはいえデススターが破壊されたのは70年台)をやっちゃうところなどもまさしく「トップガン」という感じで良かった。実際に俳優陣が乗った飛行機を飛ばして撮られた映像は、別に普通のさして音響の良くない映画館で見ても体が強張るほどの迫力だった。あとマーヴェリックの講義めちゃくちゃ面白そうだし、メイキングを見るとトム・クルーズの映画論みたいな講義も絶対に面白いよなと思った。

ただ、もちろんこれが軍隊ものであるということはちゃんと理解しなくちゃいけない。かっこよさ、面白さによって隠された「暴力」、そこに対して「かっこよさ」だけでコミットするべきじゃないはずだ。

 

ヴィジット

不快感がすごい。いや、まあ、不快になるために見てるのでこれは的外れな感想なのだけども、とにかく田舎に暮らすじじばばの生活感と汚物によって見終わった後に風呂に入りたくて仕方がない。

ちょくちょく都合良いなと思うシーンもあったが、概ねハラハラしながら見れた。姉弟そして母の心の傷に寄り添う内容なのと、姉弟がわりかし仲が良いのが可愛い。エンディングも可愛かった。