十歳差BL。そして図らずもどちらもダッシュした後の告白。
オールドファッションカップケーキ
丁寧で、話数の割に落ち着いた速度で進む観やすいドラマだった。登場人数も映像の撮り方もかなりコンパクトで、全体的に無理のない作りになっているのが良い。チェリまほ*1、ケイヤクと断念して来た私だが、これは最後まで観ることができたのでとても嬉しかったです。
またみなしょーもこちらも十歳差のBLなわけだけど、こちらはもう大人になりきった二人の話なので基本的には本人の気持ちと年齢による世間体が障害であり、二人で出す結論もとにかく気持ちに基づいたものであるのが良かったと思う。原作を読んでいないのでわからないけど、シンプルなラブストーリーに終始していたのが本当に見やすくて、序盤の野末さんの「女の子ごっこ」理論がどんどん野末さんを追い詰めていったらどうしようと思っていたけどそんなことはなく、野末さんが女の子ごっこで武装しなくちゃカフェにすらいけなかったところから脱却していくのが良かった。野末さんと話すときは必死に考えて理詰めで、カフェ巡り発案者の外川さんが、実はあんまり食べることとかに対してこだわりなく子どもみたいに口に詰め込んで食べるのが可愛い。
ただ、私は極度の仕事嫌いで付き合いも辛いと思ってしまうタイプなので、取引先と合コンするのが怖すぎて震えた。
みなと商事コインランドリー
こっちは尺と雰囲気の割にかなりの情報量を詰め込んだドラマだった。季節はほぼ進んでいない中、とにかく胸キュンやら失恋の痛みやら盛りだくさんだし、スピード感もあるのでぐいぐい進んでいく。
こちらはオールドファッションカップケーキと違って未成年と大人の恋の話なので、湊さんが自制的でシンの卒業まで告白もはぐらかす形なのが安心設計だなと思った。また、シンくんは高校生だけど演者の西垣さんは大卒の大人のためかなり身体的接触に思い切り*2がよく、とにかく湊さんのつっけんどんな態度をよそに胸キュンムーブをし続けるため、ちゃんと胸キュンドラマの実績解除ができ視聴者のモチベーションも保てる作りだった。エンディングもずっと切ない演出と色調だったのが、結ばれてからの最終話エンディングが幸せそうなもの*3になるのも感慨深くある。告白シーンも印象的なシーンややり取りのリフレインになっており、気持ちの良いハッピーエンドだった。
途中、オリジナル要素の湊さんの元カノが出てきたが、こちらに関しては結構良かったと私は思う。湊さんには「自分の気持ちの問題」と「シンくんの年齢の問題」があり、気持ちに向き合うためのきっかけの一つとして元カノを取り上げるのは、湊さんという人間の過去の葛藤も色々想像できて私は良かったと感じる。
一方で「腐女子だ」と宣言したシンくんの同級生の子については必要性がよくわからない。結局、「腐女子」であることで散々ミスリードしてきた彼女の視線の意味がシンくんへの恋ではないという結論づけなんだと思うんだけど、別に腐女子でも男性を好きになることはあるし、「腐女子」って趣味に対して色んな意味背負わせすぎていて好きではなかった。あとさすがに西垣さんの手書きとはいえ、最終話の手紙が再現VTRみたいな演出だったのは笑った。
そもそも草川兄弟が好き……と言ってしまって怒られないのか不安だけど、そういうところから始まっている視聴者なので楽しく最後まで見れた。拓弥さんかわいいね……。シンくん役の西垣匠さんの視線がとても魅力的だったので、色んな作品に出演してどんどん人気になって行って欲しいと思いました。