夜明けの星を待ってる

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感想『シンデレラストーリー』

シンデレラストーリー

煌びやかで衣装も可愛く、セットも豪華、曲も良いし、スクリーンを使った演出もわかりやすく楽しい。

なぜか本職の俳優さんたちより魔法使い・アンミカさんが歌う時間が長いが、お上手で多彩な人だなと思った。ビジュアルもすごく映える。シンデレラ役の加藤さん・水嶋さんはそれぞれ印象の違うシンデレラで、歌やお芝居は加藤さん・ビジュアルや存在感は水嶋さんがそれぞれ良かったと思った。組み合わせとして、加藤さんのシンデレラはそれなりに大人に見え、言及される性格も気質という感じがする。水嶋さんは少女感が強く、性格と言うよりは子どもらしい世間知らずさを感じた。大野拓朗さんはたいへんチャーミングな王子ではあるものの、相手によっては若干年齢差を感じるような気もした。

魔法使いのかつての恋人がシンデレラの母で、これは魔法使いがシンデレラに手を貸す真っ当な理由で良かった。全体的には、従来の結婚という贈与の仕組みから脱却する話かと思ったらそうでもなく、結婚が貧困から脱する手段であることに疑問を呈すのでもなく、なんか何がしたいのかよく分からないなと思った。シンデレラと王子もピュアにお互いに恋したわけではなく、おそらく打算があることは確かだけども、それに対して気持ちよく折り合いをつけている感じではない。ただ、継母ベラドンナが「生まれで機会が狭められること」を理不尽として怒り、それが「身体性」はしょうがないにしても「階層」はそうじゃないという理論なのが本当に良かった。佐藤アツヒロさんはとにかく体が動き、回し蹴りが素晴らしかった。夫や義理の娘に傍若無人ベラドンナだけど、そういう側面と脱却を目指す側面合わせて一番魅力的だったかもしれない。またオードリー・ジェシカ姉妹とのアドリブの掛け合いが面白い。

明るく楽しいおとぎ話として作られていることに変わりはないが、あんまり従来の「シンデレラ」を破壊しようという感じはないのでそういうのを期待していると肩透かしだなと思った。結局、王家は自分の力で国を立て直すとかでもなく、王家全体としてピエールに問題を丸投げするので何の解決にもなっていないし、こうして財政を逼迫させたのかなと思った。

入野自由くんはコメディパートを多数担当し、歌もわかりやすいミュージカルナンバーから歌謡曲みたいなのまで幅広く、全く聴かせ方の違う歌で良かった。子どもたちがピエールのコメディパートで楽しそうに観ているのが大変良かったです。楽しい演出が多い中、突然王子に現実を突きつけたりする切り替わりが鮮やかで印象的でした。