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Jungle Bell Theater『おとぎ夜話・寿』感想

おとぎ夜話・寿

本当は『夜行万葉録・戌』と合わせて観るべきなのだけど、余裕がなく『おとぎ夜話』のみ観劇。

ずっと観てみたいと思っていた演者の方が出演されているため観に行くことにした。

とても素直で真っ直ぐな作劇、メッセージでかなり観やすく万人受けする作りで良かった。

一連の物語を流し続けるのではなく、1話、2話、3話と区切ったことで展開がガラッと変わって集中しやすい作りであると同時に、話が二転三転しているというような感想にもなりづらい。謎や心情に対して区切りが設けられているし、大事ところは素直に説明されるため理解が遅れて取り残されることもない。

また前述の通り込められたメッセージも素直な内容で、人間の営みと地続きにある平和と、たいていの物語は人間の営みの中から生まれることを、民俗学という学問を通して描くことで単なる謎解きではなく、知識に基づいた推測になるのが良かった。

先輩の動機づけや最後の畳み掛ける主人公のあるある演出などはかなり安易だと思うし、たまにあとで使いたいんだろうな、という情報をポロッと入れて来るのはどうなんだろうとは思うけど、全体としては回収されない情報はないしスッキリして終わっていく。

贔屓目ありありとは思うけど、やはり個人的には2話のお芝居が好きだなと思う。発声が聞き取りやすく、そして危なっかしいロマンスの良さがあった。