視聴順がおかしくなった。
なんで視聴順がおかしいかというと、ひとが観てる横で見始めたのが原因なんだけど、無事最後までたどり着いたので記録する。勢いで更新。
美しい彼 シーズン2
八木勇征さん(清居)を美しく撮影することに命がかかっている作品だ、というのをハッキリ理解した。立ち位置・それに伴うライティングが、全て清居のあの大きな瞳の中にたっぷり光を注ぎ込むために演出されていてとにかく美しい。
まあ当たり前なのだけど、清居は平良にとって、引いては平良の目を通して物語を追う私たちにとって最も美しくなければならないので、とにかくそれに注力して作られていることに感動した。
鈍感な平良に泣かされている清居が可哀想なのだけど、清居は清居でパワフルなので自分で折り合いをつけて話し合いに持ち込むのが健気だなと思った。これは一期を見た後の感想だけど、一期では低い目線で平良が見上げたいた場所で、同じ目線になるように会話をするのが成長って感じで好きです。
あと、八木さんが可愛さに対して、荻原さんがキモさに対して真面目に取り組んでいるのが大変に好感度が高い。こりゃ流行るわ、と思った。
美しい彼
6話しかないのにこの展開量とそれぞれの心情を描き切るためのモノローグありきの作りが大変合理的で、話としても平良と清居のモノローグが交代することで一筋縄では行かない感情が互いに共通しているという説得力を持って描かれており面白い。6話しかない故にか、ほぼ全編通して停滞する時間がなく、ちゃんと物語や関係が進んでいくのが観やすい。
清居が芸能人になるにあたって、平良や城田たちとの関係はかなりリスキー(あるいは視聴者にとって清居を受け入れるための障害)なのではと思っていたのだけど、終始清居が平良に対して金銭や暴力で支配下に置かないことや、中盤の清居の立ち位置が孤立になることによってプラスマイナスゼロになるのは上手いなと思った。
平良が清居だけ明らかな特別視をしているのが、他の人ととの区別の付け方に出てるのが清居にだけ伝わっているのが良く、清居にとってそういう裏表のない特別さが心地よいんだろうなというのがわかって良かった。コップのサイズとか。
平良はブレないし素っ頓狂だけど、清居を悲しませるのは本意ではないし清居が唯一神の極みすぎて、逆に清居が「普通」であることとかを受け入れてしまう構造が本当に頑固で良いなと思った。
小山がめちゃくちゃ可愛いのに報われなくて可哀想だった。というか、報われないからこそ可愛いまである。高野洸さんのファンは観て損ないんじゃないですか?
最後の方はまいてるな〜と思ったけど終わり方として美しいので許した。てか、高校生好きだな、日本。
美しい彼〜eternal〜
平良と清居の不穏さに対して、大きな喧嘩(になるような関係ではないのだけど)で山場にするのではなく、別の事件によって学ぶ姿勢なのが丁寧な作りで良かったなと思った。社会の中で出会う困難であるとか、仕事上の不都合であるとかがこれまでより世界が広がったおかげによってそういう描写が増えていて、それを主眼に置いていないにも関わらず契約や制度という仕組みの中でただの口約束が不安定になるのがストーリーとしてめちゃくちゃ上手い。
平良が清居相手にすごく自然体で話せるようになっている一方でキモさも完凸してる感じがあまりに板についていて良かった。
桐谷が見たくて見始めたシリーズなので念願の桐谷だったわけだけど、とてもキュートでクールなアイドルである一方でどこか俳優っぽさが残っており、“何にでもなれる”というような振り切ってない発展途上さを感じ、それが「芸能界を辞める」とか言えちゃうような真っ直ぐな若い印象に馴染んでて可愛かった。
内容的に、狂信者たるファンに思うところがあるタイミングでの視聴だったので観終わった後の第一声は「ファンはカス……」だったのだけど、理想像を盲目的に信じられがちなBL作品というフォーマットにおいてこういう内容をやる意義がありすぎるので、みんなちゃんと観るべきだと思いました。
最後の清居の撮影は平良(荻原さん)がしているというのがにくい演出で、だんだん清居が脱いで行くのは事務所仕草で面白かった。
友達と観ていたのだけど、その子的には「昔は風景を撮っていた野口さんが生活のためにポートレートに切り替えたあともNikonを使っているところに未練が見えるように思うし、親に買ってもらったであろうCanonで風景を撮りながらも同じカメラで清居のポートレートを撮影する平良に、平良が本当に撮るべきものが何かがわかる気がする」と言っており、なるほどなと思った。