サニーサイドアップフォーチュン

映画、特撮、演劇、ダンスボーカルグループ

感想『aftersun/アフターサン』

aftersun/アフターサン

苦しいし、悲しい。どうかせめて最後に愛していたと伝えたかったんだと思いたい。旅行そのものも、旅行のお土産として絨毯という長く、そして生活の中にあるものを選んだのも、何もかもちゃんとソフィのことを愛していた父としての行動だったと思いたい。

父は優しくて、大人だけど多分娘が思うよりずっと若くて、だからこそ娘の前で父親らしくあれる時とそうじゃない時があってというのがありありとわかる。娘は思春期に片足突っ込んでいてもまだまだ子どもで、今自分の何が父を苦しめたのかが全くわかっていない。けどそういうところもまた、きっとそうであればいいと思うけど、父が娘を愛する一つの要因だったんじゃないかと思う。ずっと美しくて、変わり映えしないリゾートの景色が穏やかで、陳腐で。でもその陳腐ささえも、他人の想い出に対する他人の感情なんだと思うし、そこからなんとなくどうなるのか読めてきてのダンス、そしてラストシーンは信じられないくらい心に迫るものがある。涙が止まらなかった。