感想『コンスタンティン』『樹海村』『燃えよ剣』『牛首村』

コンスタンティン

filmarks.com

パワー系悪魔祓いという前評判で見たが、本当にパワー系悪魔祓いだった。

コンスタンティンはいろいろ見えるものの、まったく信心深くない人間なのでかなりめちゃくちゃをし続けるし、最優先事項は自分が地獄行きを免れることなのでほかのことが心底どうでも良いのが良かった。

武器、演者、舞台全部のビジュアルが最高にかっこよくて、面白い。これはキスしてもしょうがないなってくらいヒロインといろいろ乗り越えたのに、絶対にキスしないコンスタンティンが強情で良かった。

 

樹海村


www.youtube.com

村とコトリバコの融合映画だったのだけど、村としての魅力は本当に低く、ほぼコトリバコの話をしている。樹海産コトリバコという映画だった。

良かったところは前作『犬鳴村』よりも全体的に嫌な雰囲気が蔓延しており、それが『犬鳴村』は血筋由来だったものが見つけちゃった箱由来であるという理不尽さかなと思う。また、人間関係もよりギスギスしており、とにかく見ている人を嫌な気持ちにさせようというのを感じた。個人的には、前作よりも怖い演出が続いているように思った。あと安達祐実さんが良かったと思う。「母は子を想うものである」という前提の価値観があって、こういう作品における「愛が主人公を救う」系の展開という陳腐さはあるかなとは思うが、それはそれとして安達祐実さんの役柄は好きだった。

良くないところはクリーチャー全般の造形で、どうしてもパイレーツオブカリビアンフライングダッチマン号を思い出してしまう。あとはなぜか村ホラーとコトリバコを合体させて、村ホラー感を薄めたところかなと思う。コトリバコとしてのルールをほぼ破っており、コトリバコである意味全くなかったので。

 

燃えよ剣

大変良い映画だった。

私は『薄桜鬼』で何度も何度も新選組の勃興と終わりを繰り返して来たわけだけど、言うなれば一番有名な新選組ものと言えば司馬遼太郎なわけで、原案と言っても過言ではないのだから常に馴染み深くあった。回顧録という体で洋装から始まり多摩、上京、池田屋、鳥羽伏見、江戸、甲府会津、仙台通り越して箱館という道を土方が語る形式である。

やろうと思えば一年かけて大河ドラマになる分量を2時間半にするためそれはそれは駆け足であるし詰め込みがすごいし、甲府の戦場も会津鶴ヶ城も映らないのではあるが、とにかく重要なポイントと重要人物の信条と感覚の違いを拾っているためよくよくまとまった作品となっていると思う。

またアクションも素晴らしい。あくまで生身の人間が斬り合っているという作りなのが良かった。

役者陣も皆さんとても良く、台詞回しであるとか岡田准一さん肝入りの殺陣も良い。アクションではあるのだけど、それよりもっと生々しい感じの動きが圧巻だった。

私は山田涼介くんのファンなので、彼の労咳でやつれていく様が辛く、今際の際などはメイクも相まって本当に辛い。アクションや愛嬌と冷酷さを持つ沖田という人間を魅力たっぷりに演じており、アイドル俳優というだけでずっといらぬ批判にさらされている彼の印象を変えられる映画だと思う。彼だけでなく、本当に皆さん良いお芝居だった。

さて、私は『薄桜鬼』のファンであると同時に『八重の桜』や『青天を衝け』について、戊辰戦争終結するところまでは確実に試聴していたので思うのだけど、『薄桜鬼』しかり『燃えよ剣』の描く“武士の戦い”の理念はあまりに美しく儚いものとされすぎている。もちろんそういう作品で、そういうのが見たくて見てるし、土方という一人のバラガキが理想と筋を通した結果なのでそりゃそうなのだけど、会津公のこととか慶喜公のこととか、土方の目を通しての表現はいっそ病的なまであるなと思った。戦争であるとか軍隊であるとかもまた、追い求めたもののためにとなっているけど、もっとたくさんの葛藤があったはずなので。

いずれにせよ、武士道と云うは死ぬ事と見付けたり、ということである。

 

牛首村

これにて村シリーズ完走。Kokiちゃんが本当に可愛いです。いろいろ仕事はあるだろうに何故かホラーに出てしまったところも可愛い。

『樹海村』は村範囲が極端に狭く、村への期待で村シリーズを見ているのにそりゃないぜと思った部分が、『牛首村』に大集結していた。ヤバい村、ヤバい村人、脱出と帰還、そして因習。村がしっかり存在している分、その辺りの村要素が濃い。

また荻原利久くんと高橋文哉くんという流行りの俳優が脇を固めているので、なんかそういう楽しみ方もある。文哉くんの役は村シリーズ始まって以来のとても頼りになるし性格も良い男の子で良かったです。

あとはもう、好みの問題かなとは思う。今作は村の因習周りは湿度ある嫌さではあるものの、人間関係にはさほど問題なく進み、人間関係由来のギスギスした感じを見たければ『樹海村』を見たら良いと思うし、血縁にまつわる怨恨をもっと見たいと思うなら『犬鳴村』を見たら良いと思う。

一番怖いのは、村シリーズが動くたびに生き返るストリーマーのアッキーナと、ヒロインが怪異に遭遇し犠牲者をいっぱい出しながら異空間に飛び沢山のクリーチャーに襲われ解決したと見せかけて何も終わってないエンディングを迎えるという形式で何度も映画を撮ってることかな。