サニーサイドアップフォーチュン

映画、特撮、演劇、ダンスボーカルグループ

感想『劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』『劇場版 仮面ライダーウィザード イン マジックランド』『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』

劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!

いやもう、何?

どういう思考回路でやろうと思えばこの映画になるんだ……と大人が見るとどうしようもない映画だけど、紘汰さんが持ち前の熱さで克服していくところはヒーローらしくて良いし、「夢の世界」を題材にした映画だから退場した登場人物も総出演(戦極凌馬は除く)しての変身は素晴らしい。ただもう、全員で変身してまだやることがサッカーなことがもうわけわからなすぎて笑ってしまう。いやまあ、ラピスがずっと一人で戦ってきて、最終的にチームで戦おうという所に至ることとか、そもそもワールドカップのあった年らしいとかいろいろあるが、話の上では特にサッカーが必要でもないのでどうにも笑ってしまう。

とにかく仕事ができる湊耀子が良かったです。

最終回にコウガネが出てるとのことだったので確認したが、ミッチにも覚えてもらってないコウガネがちょっと可哀想だった。あと今見ると、戦う覚悟を決めたミッチの服が紘汰さんみたいなコーディネートになってるのが健気で可愛かった。

 

仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル

葛葉紘汰なき世界で奮闘する呉島兄弟が良かった。貴虎は責任があり、光実には罪がある。それに対して決着をつけるためにそれぞれが頑張ろうということに対して、凰蓮や城之内、ザックが沢芽市に残ったアーマードライダーとして同じように役目を果たそうとするのが良かった。全てが終わった後、二人きりで神様になってしまった紘汰さんと舞さんをみんなが迎えにくるのが少し泣けた。

メガヘクスが戒斗として構築したとき、本物の戒斗ならメガヘクスなんかに屈しないのに……と思ったのだけど、再現された戒斗も別にメガヘクスに屈しなかったので笑ってしまった。恐らくあの戒斗は紘汰さんの記憶が元なんだと思うが、そういうダルい感じが紛れもなく戒斗である。

ドライブはまずカーチェイスの景気の良さが素晴らしかった。爆発はいくらしても良いので。

ベルトさんと進ノ介くんの信頼関係はとてもカラッとしている小気味よいもので、この映画でもその雰囲気が出ていて良かった。ベルトさんと進ノ介くん、進ノ介くんと霧子ちゃんはそれぞれが相棒として成立する関係性で、どちらもちゃんと堪能できるつくりで良い。

一応真面目な推理パートを少量ながら挟んで、その後の対抗手段として「ベルトさんと進ノ介くんの心の共鳴」が提示されるのがあまりにドライブの味わいだった。

そういう感じで、前半戦がそれぞれ割と真面目なトーンで作られていたからか、合流してからのバトルシーンでやたらとギャグ会話みたいなのが挟まる。嫌いというほどではないが、ちょっと多すぎるかなとは思った。あと、本編登場前なので詩島剛出てこず、マッハだけ悪役っぽく映るので寂しかった。

 

劇場版 仮面ライダーウィザード イン マジックランド

晴人くんとコヨミちゃんが良すぎる。

救わないとという気持ちが先行するあまり、魔力システムを片っ端から壊す晴人くんはかなり恐ろしいなとは思ったが、それすらもうコヨミちゃんとのシーンのエッセンスでしかない。

晴人くんが「魔法使いの世界」に対して、「みんなが平和に暮らしてるか」どうかの尺度ではなく、「みんなが魔法使いとしてファントムに対応できるなら晴人くん一人で戦わなくて済む」=「晴人くんの魔力を全てコヨミのために使える」という発想で「このままでも良いか」と思うのがあまりに世界のヒーローからかけ離れていて良かった。

最後の戦闘はかなりこじんまりとしてる印象で、いまいち盛り上がりに欠けるように思ったが、そんなことはどうでも良いかなと思うレベルで正しい世界のマヤとシイナの様子が美しく、またそれを晴人くんとコヨミちゃんが二人で見て終わるという粋な展開が大変素晴らしい映画だった。「世界を一つぶっ壊した甲斐があったな」というセリフは、こういうありふれた、けれどかけがえない幸せをもたらしたヒーローとしたこの上なくカッコ良い。常にコヨミちゃんと世界を天秤にかけられている感じがして辛いけれども。

 

仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦

引き続き、晴人くんとコヨミちゃんが良すぎる。

コヨミちゃん亡き後、晴人くんが自分を正当化しながら形見を持って遠くまで旅をしているだけでも相当辛いのに、それを敵に利用される形になるのが切ない。そして「コヨミ」の姿をした形見を壊さなければというところで、その業を代わりに背負い、また魔法使いになろうという仁藤が本当に格好良い。仁藤の「みなまで言うな」の意味合いが「話を聞かない変人」からすっかり変わっていて、「わかっている辛いことを言わせない」というとても頼れるものになっているのが最高。

戦いながら晴人くんがコヨミちゃんを口説き始めて、コヨミちゃん(の形見の指輪)が晴人くんの元に帰って来て、晴人くんのアンダーワールドがコヨミちゃんとの思い出に変わっていて。そこにいる思い出のままのコヨミちゃんに指輪を託し、そこが一番彼女が落ち着くところだからと言い切るのが涙出るかと思った。二人の関係の自信や理解、そして自分の拠り所としての結論なんだと思う。

鎧武の方はそんなに別に紘汰さんやミッチに対して思うことはなかったんだけど、メガヘクスみたいなのに融合され配下に置かれるのは絶対に無理な戒斗が、自分に従う人間たちを率いて突然天下を目指すのはあまりに理解できると思った。また、イエヤスの「武神ウィザード」が帰って来たのだという喜びを見せ、インフィニティを晴人くんに渡すのがとても良くて、きっと良い関係がイエヤスとウィザードの間にあったんだろうなと思った。客演も楽しかった。