サニーサイドアップフォーチュン

映画、特撮、演劇、ダンスボーカルグループ

感想『ピンポン』『オールドボーイ』

ピンポン

観終わったあとの心地が良くて、ああ観てよかったな〜と思った。すごくよかった。天才が出てくるので、それに対して劣等感と挫折を持つ一般人も存在しているのだけども、その天才たちがまた努力する天才であるものだから憎悪の向こう側にさっさと行ってしまう。

誰かが天才であることはその誰かが望んだことではないが、その天才さによって誰かをヒーローとして望む別の誰かがいて、だけどその心に応えるかどうかはまた別の話で……というのを感じつつ、挫折した天才が前述の通り努力と、そしてその才能によって進む青臭いひたむきさが良かった。凡人であれ、天才であれ、求めることをやめたら手に入れることはできない。アイキャンフライ。ねだるな、勝ち獲れ、さすれば与えられん。

 

オールドボーイ

全てを受け入れて、諦めたかのような収束の仕方にピッタリ合うとしか言いようのない美しい音楽が常に流れ続けていて、それが壮絶な映像に乗ってるのがまたぐちゃぐちゃで良かった。

結構深刻な話をしているはずなのだけど、主人公デスの語り口や性格がコミカルなところもあったりして、そんなに観ているのが辛くなるようなことはない。が、それはそれとしてとってもずっとバイオレンスで怪我まみれなので、そういうのを直視するのに疲れるみたいなところはある。

ウジンとスアは学校なんかでことに及ばなければ良かったのだし、そんなプライベートなことをデスは口にしなければよかった。そういう心底どうしようもないことであるとわかっていたからこそ、ウジンはデスにこだわったし、デスはすっかり忘れていたというのが身勝手で生々しい。

結局、誰かに決められた行動だったとしても、事実に抗うことをやめてしまうんだな。