サニーサイドアップフォーチュン

映画、特撮、演劇、ダンスボーカルグループ

感想『ナイン・ソウルズ』

ナイン・ソウルズ

全員が受刑者で罪状も重い関係上、いわゆる平均的な倫理観ではない9人なので、とにかくやることなすこと無茶苦茶で想像してるよりはるかに悪いことをテンポよくやっている。犯罪だし、短絡的だし、行き当たりばったりすぎてなんかもう笑えてくる。

笑えてくると愛着が湧いてきて、9人を理解したいだとか、仲良くしてよとか、そういう感情が湧いてくるんだけど、その頃にはもうおしまいが見え始めている。何にもならないのに、今出て行くしかないと思って塀の外に出ていくことの単純さが無常だった。それぞれの行き先を目指す真っ直ぐさと、全然全く歓迎されていないダサさ。そういうところで相手の気持ちを慮ることができないからこそ、暴力に頼ってきたんだと思う。彼らなりに色んなことを考えて塀の外に出たのに、結局現実は辛いままなのが良い。

ダサくて下品で薄汚れてるのに、どこをどう切り取っても魅力的で、松田龍平千原ジュニア2ケツは特に良すぎてびっくりした。