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映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』感想

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-

まず、始まってそうそうに芭流覇羅との決戦になりずっと殴り合っているため、前編との時間配分というかバランスがどうにもおかしいと感じてしまう。

またどうにもキャラクターの性質やストーリー上のギミック、ストーリー展開そのものの扱い方が前編と同様うまく行っている感じがせず、おそらくだが一作目あたりまでの進み具合についてはプロットが細かく存在し、芭流覇羅周りの扱い方についてはオンタイムで多少変わっていった部分があるのではないかと思った。セリフの使い方や展開、事実の明かされ方一つとっても妙に安定しない印象があり、それは連載当時のライブ感にあるのかなと勝手に思っている。

そして作者には、暴走族というものに対してもそんなに思い入れはないような気はする。バイクで走ることに対するエピソードがすごく少ないんだなと思った。

全体的なアクションのもっさり感は一作目から変わらず、リアルな傷描写も相まって汚らしくスタイリッシュでない本物の喧嘩を撮りたいのだろうということは伝わってくるものの、アクションの面白みはないなと思った。

なんか気になりすぎてだめだと思ったところから書いてしまったけれども、とにかく、場地と千冬と一虎が良い。

行動にどうであれ筋が通っている場地と、責任転嫁し最終的には死のうとしている一虎と、場地を一心に慕う千冬の役者による説得力は変わらずあり、むしろその説得力によって3キャラクターが非常に魅力的に見える。

場地が守りたいものは最後まで変わっていないし、千冬はそういう部分に惚れ込んでおり、一虎は「自分が悪くない」と思うためにめちゃくちゃな理論で正当化しており、それらに対しての納得感があって良かった。全体的にキャラクターがなぜその行動を取るのか、突飛に見えたり合理的でないように思えたりする中で、場地、一虎、千冬の根っこのブレなさ(一虎のブレるという性質も含めて)がとても良かったと思う。

前後編に分けたことでより時間の使い方が贅沢するようにも思うが、脚本については映画という表現方法に対してかなりの最適解を出していると思った。

つまり、なんというか、たぶん原作の内容に対してもはや私との相性が良くないんだと思う。でも観る。