サニーサイドアップフォーチュン

映画、特撮、演劇、ダンスボーカルグループ

感想『わたしの幸せな結婚』『きさらぎ駅』

わたしの幸せな結婚

こういうのって、こういうの見たくて見てるみたいなところあると思うんだけど、そういうこちらの希望を網羅していてよかった。そんなにロマンスが得意というわけでもないんだけど、必ず幸せになるとわかっていて読み始めるロマンスほど安心感のあるものはないと思っているし、こういうのはどんな困難があっても想い合う二人が見たいのであって、政を巡る思惑もざまぁもそのエッセンスだと思う。なので清霞の仕事周りのやってることのわかんなさとかは割り切って観賞できた。そういう意味では、恋愛も異能も陰謀も観れて満足感がある映画で楽しかった。画面に余白を持たせる撮り方も繊細な雰囲気に合っていると思ったし、異能の表現も丁寧で良いと思う。テンションが一定な感じだしタスクが多いから全体的に山場が分かりづらいのはあった。どこを期待して観るのか、主題はロマンスなのか異能バトルなのかというのがあんまり定まってないように思う。どちらもメインテーマだと言われたらそれまでだけど。

ヒロインが前世の知識で自活するでも、二周目の知識で回避するでもない。結構保守的な価値観だと思うんだけども、ひたすらにその健気さでささやかな幸せを大事にしようとする幸の薄い今田美桜さんの可愛さや、土屋太鳳さんの神聖さが良かった。高石あかりさんも可愛い。目黒蓮さんと今田美桜さんの身長差がずっと良かった。渡邊圭祐さんも底が知れない複雑さと素直さがよく似合ってて好きだった。俳優の撮り方が綺麗だと思う。

美世の姿が見えて走り出す清霞が可愛いのと、一人過酷な運命を背負う堯人が好き。

 

きさらぎ駅

ある地点に到達するイベントが進行する映画という感じでそんな怖いとも思わなかったんだけど、最後の展開は嫌な気持ちにさせてくれたのは確か。怪異の怖さを見たかったけど、展開に工夫を感じたラストだったし、あのループの中での記憶を保持できない以上は堤さんは何度も見送りを試して残り続けるんだろうと思う。